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2014年6月10日火曜日

宣戦布告後即降参

 環境省が定めるレッドデータカテゴリの絶滅危惧Ⅱ類に、このたび古本屋が新たに付け加えられることとなった・・という話はまだどこからも伝わってきませんが、いずれそうなるのも時間の問題かもしれません。古本屋に限らず、町の新刊書店も本当に少なくなりました。たまに見かけると、ノスタルジーで仄かに胸の奥が暖かくなるぐらいですが、そういう視線に晒されている業態は結局なくなる運命なのでしょう。書店業も今となっては、商業区域の一等地に旗艦店を持つナショナルチェーンでなければ生き残れないビジネスモデルのようです。もっともこの手の話題には必ず名前が挙がる、千駄木の往来堂や京都の恵文社一乗寺店のような、地域の特殊性に密に根差して全国に名を知られる存在があるのも事実です。本という商材を巡ってのビジネスは、ナショナルかローカルかという分かりやすい図式的な二分化が進んでいるということでしょうか。
 八丁堀界隈には、てくてくと歩き回った限りでは新刊書店はありません。雑誌の新刊であれば各種コンビニエンスストアで入手が可能ですが、書籍となると、日本橋の丸善まで足を延ばさなければならないようです。先のナショナルとローカルの図式で見れば、さしづめ丸善V.S.逆光のハンディキャップマッチといったところでしょうか。新刊と古本では柔道と柔術のように出生は同じでも別物ですし、仮に異種格闘技戦と銘打ってのマッチメイクだとしても、度を超した無差別級にはコミッショナーからも中止の命が下るにちがいありません。なにせ当店の売り場面積は丸善の200分の1しかないのです。端からはマツコ・デラックスとジャンガリアンハムスターの戦いに見えることでしょう。小さいものの戦術はどうあるべきか、大きな課題です。

『水生昆虫完全飼育・繁殖マニュアル改訂版』
都筑裕一・谷脇影徳・猪田利夫 データハウス
      2000年6月20日初版 カバー少折れ           
レッドリスト掲載の水生昆虫の図版が多数。
 丸善&ジュンク堂にも在庫なし       
1,500円

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