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2014年5月31日土曜日

普遍経済のすすめ

 暑さへの耐性が歳ごとに弱まり、すでに5月の終わりの段階で夏バテになりました。もっともこの時期は、急な気温の変化に体がついていかず、自律神経が不調をきたしてダルくなると言います。この暑さが呼び水となって、今まで忘れていたここ数年の猛暑の記憶が甦ってきました。しかし今から夏バテになっておけば、梅雨明けからの真の暑さをなにごともなく乗り切れるかもしれません。物事にはできるだけ事前に処しておくこと、これがデキるビジネスマンの鉄則です。起こり得ることを前もって察知して、そのリスクを最小限に抑える予防策を最小限の労力で遂行すること、これがグローバル時代の労働というものではないでしょうか。
 そんなことを言っておきながら、当店の場合、最小限の利益を最大限の労力で得ようとしていますから、端からは世の摂理に反して見えます。好きなものを買ってきて棚に並べて一人で高揚している勝手気ままなワンオペレーション。八丁堀周辺をぶらぶらしてると、なかなかいい感じの空き物件が出始めています。命を削ることを強要する経営陣も喧しいマネージャーもいない愉快なワンオペに参入するチャンスが転がっていますよ。皆さんもいかがですか。
『うみと生物 VOL.1 NO.1』海と生物の会 1958年3月
7頁 表紙経年アセ 裏シミ
涼しげな本はないかと棚を探して、見つけたのがこれ。
本というよりは冊子です。イセエビの幼生フィロゾーマの
 表紙が素敵な1冊。隔月1回発行を謳うも、どこまで出たかは
     不明。「いせえびの一生」と「こんぶの話」を掲載。       
  SOLD OUT    




2014年5月30日金曜日

口八丁

 燃ゆるがごとき暑い日々が続きますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。この暑さは梅雨明けから始まる地獄の前振りなのか、振りだとすれば少しばかりムチャ振りではないでしょうか。今年の夏は冷夏だという予想もありますが、だからこそ今この時をせいいっぱい暑くしたいんだ!と地球が思っているのかもしれません。こう暑いと、飲食店なんかは食材管理にずいぶん気を使うことでしょう。その点、古物や古本は気温がいくら上がろうとも腐敗したり爆発するおそれはありません。ただ、店内で唯一の有機体である店主が死滅する可能性があるだけです。
 鮮度管理という面で見れば、古本だって古道具だって、たしかに鮮度は大切で、同じ商品をいつまでも同じ場所に置いておけば、場が淀んでくるものです。理想を言えば、どんどん売れてがんがん仕入れることで、常に店内には新鮮さがみなぎり、それにより会計に頭を悩ます必要のない店主もいつまでも若々しくいられるということです。
 ふた昔ぐらい前の古物の店だと、店内奥の帳場に因業そうな親爺が偉そうに腰掛けて、お客に一瞥をくれたきりあいさつもしないで煙草をふかしたり、足の爪を切ったり、アサヒ芸能の袋とじページを丹念に破っていたりしたものです。それはそれで残しておきたい風物でもあるのですが、残しておきたいなんて言葉が出る時点で、すでに死滅の一途を辿っていると言ってもいいのでしょう。
 新しい風景をつくりだす才能を持つ若者を誑かして片っ端から古本屋に仕立てる才能を持った人を見つける才能を持った人がどこかにいないでしょうか。
         奥 鎬の徳利 高さ14,2 胴径6,5 口径2,9 底部径5,6センチ             
      SOLD OUT           
左 うねりのあるコップ 高さ8,5 口径4,8 底部径3,5センチ    
SOLD OUT     
右 コップに転用できる蝋燭立て 高さ7,3 口径6,3 底部径4,7センチ
SOLD OUT     
涼やかなガラスの器をご紹介です。        
冷酒でもワインでもジュースでもなんでも合います。


 

2014年5月29日木曜日

壁のバカ

 名古屋の古本屋さんが、養老孟司の著書『バカの壁』を大量に積み上げて、「バカの壁の壁」を鋭意構築中であるとのニュースを見ました。リサイクル系以外の古本販売事業者がマスメディアに取り上げられることは珍しいので、当店も遥か末席とはいえ同業である以上、ちょっと触発されます。名を売るために早速マネをしようと思い立ち、何か壁に適した本はないだろうかと棚を探してみました。
 残念ながら『バカの壁』は1冊もありません。安部公房の『壁』なら、100円均一棚に文庫が入っています。それとたしか小島信夫の小説で、壁がどこかに消え失せるというのがあったはずです。あとはガストン・レビュファの『雪と岩』でしょうか。レビュファが絶壁を登っている写真が表紙です。
 それらを積み重ねてみましたが、これを見て取材に来る媒体はどこにもないと断言します。
上『壁』安部公房 新潮文庫 1989年7月30日47刷
  所収作『S・カルマ氏の犯罪』で芥川賞受賞   
100円

 中『殉教 微笑』小島信夫 講談社文芸文庫     
2007年7月22日第6刷          
      日本軍が配置された中国のある町の城壁が丸ごと消えて
                 なくなることで生じる喜劇と狂気。所収作『城壁』より。                 600円        

 下『雪と岩』ガストン・レビュファ 近藤等訳 新潮社
1961年8月5日初版 帯・カバー欠け、小口天シミ
稀代のアルピニスト、ガストン・レビュファによる
クライミングテクニックの解説書        
1,200円

2014年5月28日水曜日

可か不可か

 カフカ的不条理とは、例えば、ビルの一室で古本屋がぼんやりと時が過ぎるのを待っているという状況にも当てはまるでしょうか。単に職務怠慢じゃないの?と言われたら、そうですよね!と爽やかに返さざるを得ないのですが、本やガラクタをどこからか集めてきて、それに値段を付けて、いくばくかの利ざやを取って生きていこうという態度は、やはりどこか不条理めいている気がします。高度資本主義社会においては否定されかねない業態でありながら、だからこそ生きていけるという、不安とおかしみに満ちたところもどこかカフカ的です。
『カフカ短編集』池内紀編訳 岩波書店
1990年5月25日第12刷       
SOLD OUT

鳥追い
ピレネー地方辺りで使われたと思われる音を出して鳥を
        追い払う道具。軸を持って回転させるとギコギコ音がする。      
  立てかけた姿は、カフカの短編「父の気がかり」に出てくる
  オドラデクのよう。                  
14,000円


2014年5月27日火曜日

どうにもならない

 こんなブログの文章であっても、一通り書き終えた段階で、誤字脱字、文意の通りの悪い箇所はないかなど、一人校正&校閲というのをしているのです。たいていは訂正の余地がないほど酷い。一言一句を彫琢して文章を紡いでいるわけではないですが、もう少しなんとかならないものでしょうか。文は人なりという言葉が本当だとすれば、けっこう残酷です。闊達な人は闊達な文章を書き、陰鬱な人は陰鬱な文章を書く。腹黒い人の文章は腹黒いし、カッコつけてる人の文章はカッコつけていて、顔立ちが母親似の人は顔立ちが母親似の文章を書くというわけです。
 それぞれに突き詰めていって、本当にその人の人間が丸出しになれば、どんな性格の文章でも面白いものだと思うのですが、どうせならスカッと爽やかでかつ愛に満ちた文章を紹介したいと思います。
 勝小吉『夢酔独言』です。小吉は海舟のお父さんとしてよく知られていますね。やたら喧嘩が強く、露天商の親分や刀剣ブローカーなどをしていて、旗本の身分でしたが、晩年は不行跡から謹慎させらていたそうですから、ちょいワルどころではありません。そんな小吉が自分の後の代の者のために書き残した文章です。
 小吉曰く「おれほどの馬鹿な者は世の中にもあんまり有るまいとおもふ。故に孫やひこのために、はなしてきかせるが、能々不法もの、馬鹿者のいましめにするがいいぜ。」
 いいぜ・・。いかにもワルそうですね。
 そして「・・・息子が九つの年、御殿から下つたが、本のけいこに三つ目向ふの多羅尾七郎三郎が用人の所へやつたが、或日けいこにゆく道にて、病犬に出合てきん玉をくわれた。」という大事件が海舟(当時は幼名の麟太郎)のもとに起こります。 
 小吉は麟太郎を医者に運び込み、金比羅へ詣でてはだか参りで快癒の願をかけます。術後の死線をさまよう麟太郎を小吉は「始終おれがだいて寝て、外の者には手を付させぬ。毎日毎日あばれちらしたらば、近所の者が、今度岡野様へ来た剣術遣ひは、子を犬に喰れて、気が違ったといいおつた位だが、とふとふきづも直り、七十日めに床をはなれた。夫から今になんともないから、病人はかんびよやうがかんじんだよ。」
 誤字が多くて状況の脈絡がよくつながらなくても、意味は取れると思います。むやみに奔放な文体が痛快です。この頓珍漢なおとっつぁんの奇蹟の書を皆さまもご一読くださいますよう。

 
 
『夢酔独言他』勝小吉 勝部真長編
平凡社ライブラリー 2000年3月15日初版
450円

2014年5月26日月曜日

風が吹いた

 いわゆるビル風なのでしょうが、ときおりどの方向から吹いてきているのか分からない一陣の風が、店の窓にぶつかり電線を揺らし看板をなぎ倒し吹き抜けていきます。いろんな形状の建物に影響されて複雑に形成される風の経路を把握するには、流体力学を勉強しないといけないでしょう。それには東北大学流体力学研究所に入所すべきかもしれません。だとすれば、せっかくだから牛タンのおいしい店を知りたい。チェーン系の大手ではなくて、地元の人たちにひっそりと愛され続けている個人経営の名店がきっとあるはず。
通い続けるうちに店主に気に入られて暖簾分け。古本と古道具と牛タンのミクスチャーという斬新な業態がまたたく間に巷を席捲し、一躍経済界の寵児となる・・。そんな微笑ましい妄想にかられながら、商品の値付けをしています。
 それにしてもどかんどかん叩きつける風が窓を突き破って、当店の乏しい売上をさらっていきやしないかと、さっきからとても心配です。


『テスト氏』ポオル・ヴァレリイ 小林秀雄訳
野田書房 普及版 1936年9月20日初版  
函背ヤケ 線引き1箇所あり 他状態良好 
SOLD OUT

2014年5月25日日曜日

はいと言え

 AKB48の選抜総選挙の投票権を得る為に、投票券付きCDを3,150万円分購入した人がいるというニュースをネットで見かけました。私なんかはぜんぜん業界周辺の事情が分かってないし、ことの真偽も定かでないので、あれこれ言うことはできないのですが、まず思ったのは、「そんなに手持ちの現金があるなら古本屋を開けばいいのに!」ということでした。当人にしてみれば、「え、なんでよ?」といった感じでしょうが。
 なにか事を起こすに際して、皆それぞれ切実な思いを胸に秘めているのならば、それがなんであれ、とやかく言う筋合いはないのでしょう。とはいえ、端からは金の使い方を間違えていると思われることに関して、人は直ちに各々自分の欲望に換算して非難を始めます。私のように、古本屋を始めろと言う者、それだけあれば高麗茶碗のいい手が買えると言う者、住宅ローンの残りを立て替えておけと言う者、ベビースターラーメンが100万袋買えるじゃないかと言う者など・・。こうして欲望が縦横無尽に交差し、どの欲望が誰の欲望なのかもはや分からない、愛には愛で感じあう高度資本主義社会が形成されるというわけです(すごい適当)。
開業前の当店。什器もなく在庫もない、海のものとも山の
ものともつかない感じですが、今もたいして変わりありません。 


2014年5月23日金曜日

あるたたかいの記録

 開店前に神田の古書会館の即売会をのぞいてきました。有志で集った東京古書組合加入の百戦錬磨の業者が、各々集め得た本を並べて売るわけです。会場には、蒐書家、好事家、大学教授、素人研究者、紳士、当店のような末端業者などさまざまな人種が来て、それぞれの必要に基づいて本を漁っていきます。男女比率でいえば、9:1で圧倒的に男子率が高く、かつ平均年齢もおそらくは65歳を越えているのではないかと思われます。高校・大学が多い地域ですから、女子学生2人組が不意に現れて、「えー、ヤバくない?最新満州国詳密大地図とかあるんですけど!」「こっち、徳富蘆花の変態芸術史あるよ。しかも初版」といったやり取りの末にひとさらい購入、みたいな場面に出くわしてもよさそうなものを、現在までそうした光景を見たことがありません。
 相当アンバランスな客層に買い支えられている業界ですが、では気勢があがらないのかと言うと、決してそんなことはなく、初日の午前中などはむしろバトルロワイヤルの様相を呈していると言っても過言ではありません。10時の開場とともに客は地下会場へとなだれ込み、事前に発行される目録で目星をつけておいた棚へと押し寄せます。人気の棚の前は凄まじく、さながらナパーム・デスのライブのようです。後期高齢者たちによる沈黙のモッシュ&ダイブ!撥ね飛ばされる末端業者!ふだん店先に並ばないような本もたくさん見つけられますよ。皆さんもいかがですか。

 
『ドレミファ練習』岡田 兆功 ONLYONE詩人グループ 
1956年3月21日初版 A5版 背割れあり 献呈書名
戦いの末にちょっと珍しい詩集が買えました。
SOLD OUT

2014年5月22日木曜日

駅にて

 駅、それは人と人、人と物、物と物とが出会う場所。出会いの数だけドラマが生まれ、やがてそれは歴史となる・・。
 某駅構内、フランシス・ベーコンのような風貌の中年女性が、両手に西武百貨店の紙袋を持った腕を肘を伸ばしたまま、体の側面水平に上げ下げする運動を繰り返しています。ラッシュはとうに過ぎて弛緩した昼前の時間帯、少ないとはいえ皆無ではない人目を憚ることなく、単調な動きをむしろ単調であるが故に丹念に確かめるように行なっています。その様子は、極度の集中状態に入ったアスリートのように、どこか崇高ささえ帯びていると言ってもいいかもしれません。
 電車待ちの時間を利用したエクササイズなのか、近日中に催される同窓会に向けての喫緊のダイエットなのか・・確かめるすべはありません。そしてよく考えてみれば、女性の行なっている運動は、サイドレイズという三角筋を鍛えて肩幅を広くする筋肉トレーニングではないでしょうか。だとすれば、この女性、ボディビル選手権の女子マスターズの部にでも出場しようというのでしょうか。深まるばかりの謎。高まる緊迫感(自分だけ)。プラットホームに満ちた疑問符は、しかし到着する電車によって吹き散らされてしまいました。女性は動きを止めて深く息を吐いてから、おごそかに電車に乗り込み去っていったのでした。                    

『驛』幸田文 中央公論社
1959年3月20日再版 函写真 濱谷浩
SOLD OUT
濱谷浩の写真は、幸田文より松本清張に
      合いそうです。                    

2014年5月21日水曜日

非洗練の効能について

今日はいつまで経っても本降りの雨。足元にはお気をつけください。

 開店前に乃木坂の新国立美術館で開催中の「イメージの力 国立民族学博物館コレクションにさぐる」を見てきました。古今東西の造形から見てとれるイメージに人類共通の普遍性はあるか、というテーマが掲げられていますが、もちろんそんなお題目を知らなくても、おもしろフィギュア一挙大集合といった趣を十分に楽しめます。
 パプアニューギニアの神像、メキシコの仮面、秋田のナマハゲ、インドネシアの人形、アボリジニの遺骨容器、ミャオ族の民族衣装、アフガニスタンの子供用帽子、セネガルのブリキの玩具、マダガスカルのはしご・・・400点以上の「もの」が館内には展示されていて、地理、風土、民族性の違いがたしかにそのまま造形の違いとして現れているように見えます。しかしどんなに奇異なデザインであっても、帽子は頭にかぶるもの、仮面は顔に付けるものとして作られ、神像や人形は人の姿をデフォルメしており、容器は入れ物だし、玩具はおもちゃです。造形の多様さを見せつけられるほど、構造そのものは案外変わらないのだと思いました。
 ただ、やっぱりその造形はすごいです。例えばマレーシア、クニャー族の狩猟神の像。神像とか言って、土田世紀が描くシンナー中毒の高校生みたいに視線の定まらない表情の神様のどこを敬えと言うのか。センスのあるなしの相対的な話ではなくて、民族の古層と言うべく集合意識がこの造形を招来したというのならば、美的感覚とはいったいなんでしょう。素敵とかおしゃれとかカワイイものに収斂しがちな日本の物売りの線の細さにとって、圧倒的な他者として立ちふさがっているように思います。
 ゴーギャンやピカソが自分の作品にエジプトやアフリカを導入して、貧血状態の西欧美術界の活性化を試みたように、今日の展示を当店にも活かせないだろうかと、不相応なことを考えるフリをして時間が過ぎていきます。

 
 
 

『20世紀美術におけるプリミティヴィズム』
ウィリアム・ルービン編 淡交社     
1995年4月26日初版 函入全2巻+補遺冊子 
SOLD OUT 

2014年5月20日火曜日

5/23(金)、24(土)は仕入れのため14時からの開店です。
よろしくお願い致します。

 「女はかご好き 男は箱好き」ということを雑貨業界あたりで言うそうですが、そんなジェンダーの壁を越えて、すべての人が等しく好きになる箱を当店にてお取扱い中です。
 デザイナーのズアン課さん製作の「活版数字、名刺整頓箱」です。方々から受取る名刺やショップカードを整理する必要にかられて作った、いわば用の器です。蓋の前側面が丸く抜かれて、そこから数字がのぞいています。これがカッコいいというか、かわいいというか、わざわざイギリスからほどよい大きさの木活字を輸入して、ズアン課さん手ずからひとつひとつ押したというもの。色はグレーと黄ボール。しっかりとした造りの箱は竹内紙器製作所さんの仕事です。
 グラシン紙に包まれている様がまた良いので、開けずに机の上に転がしておくだけでも楽しめます。箱好きとタイポグラフィ好きの心をとらえて放さない逸品です。

活版数字、名刺整頓箱
縦10横6高さ6.2センチ(蓋をかぶせた状態)
800円(税込)
①〜⑨まで作られましたが、  
現在庫は①〜③のみ。     


 



意味もなくたくさん欲しくなります。

成層圏を飛び出すぐらい積み重ねたくなります。

2014年5月19日月曜日

赤ちゃんと初期伊万里

 店に来る途中の電車内にてアメリカ人?のパパと日本人のママのハーフの赤ちゃんに遭遇。たぶんまだ0歳児。とても小さいのに、人としての機能を正確な縮尺率ですべて備えているのが不思議です。口をパクパクさせながら、ママと目を合わせようとするも、ママは他のことに気を取られて気づかず。赤ちゃんがグズって自己主張すると、パパがほっぺをぶにゅっとつまんであやします。ものすごく柔らかそう・・。茗荷谷の一幸庵のわらび餅のように。ここのわらび餅は、つなぎを一切使わず、わらびの地下茎から数%しか採取できないという本わらび粉100%で練り上げるので、その食感はちょっと他にはないものです。喜ばれる贈り物として、ぜひ皆さまにもおすすめします!材料の調達に手間をかけていますから、もちろん値段もそれ相応です。今は1個400円ぐらいなのでしょうか。
 400円あげるから、赤ちゃんのほっぺを触らせてくださいとパパとママにお願いしたらどうなるでしょうか。緊急停車ボタンを押されて、鉄道警察隊に引き渡されてしまうかもしれません。今日はただでさえ、人身事故ですでに大幅な遅れが生じていたので、これ以上の遅延は客足に大きく影響を与えてしまうだろうと判断し、我慢しました。
 昨日、うつわノートさんで拝見した山本亮平さんの器にしろ、今日の赤ちゃんにしろ、これから生成する可能性を内に含んだものを目にすると、どういうわけか勇気が湧いてくるように思います。

初期伊万里陶片
最長部分94×83ミリ
山辺田窯でしょうか。
可憐な花の絵。写真だと濃く映ってますが、
実物の絵付けはもっと淡いです。    
SOLD OUT  
    
 
    
高台も残っているので、酒肴の小皿に
使えます。            


2014年5月18日日曜日

目撃者になる為に

 本日は定休日でした。こんな時にこそ眼に滋養を補わなければと思い立ち、埼玉県川越市のギャラリーうつわノートで開催中の「山本亮平展 〜有田白磁の系譜〜」を見てきました。
 
 山本亮平さんというと、柔らかなクリーム色の型打ちの輪花皿などが知られています。もちろん、この展示でも定番商品として展開されており、相変わらず見れば欲しくてたまらなくなるはずですから、財力の許す限り身銭を切るべきだと思います。ただ、今回の圧巻は展示タイトルに謳われている「系譜」です。わざわざこういう言葉が使われたのは、今いる場所からある地点まで歴史の線を遡り、批評的にやきものを捉えようとしている山本さんの営為を示してのことなのだと思いました。
 つまり、初期伊万里やその発生に関連する唐津や李朝、染付けから濁手などを経て、現在ふつうに使われている有田焼の白磁に到る道を辿りなおすことです。だからと言って、この展示に山本さんの腕前のカタログ的なお披露目会の様相は全くありません。一見すると、いつもながらに素晴らしいしつらえの中に、割と地味な器がけれん味もなく並んでいるだけです。しかし手に取れば、これらの器が言葉の真の意味でラディカルであることが分かると思います。口縁を呉須でぐるんと囲んだお皿なんかは、草創期の萌芽を内に含んだ力強い美しさに漲っていますし、堅手写しのお椀だって、すごく素っ気ないのにいつまでも眺めていたくなるものです。
 器が変わりゆく過渡期を自分の手で現前させるという、山本亮平さんのこの困難な仕事をどうか皆さん見てください。瀧口修造的な意味において、この仕事の目撃者になってほしいと思います。会期はあと2日、5/20(火)までです。平日ですからお勤めの方はなかなか大変だと思いますが、有休を取得するなり辞表を提出するなりして、ぜひお出かけください。










 
 

2014年5月17日土曜日

どんぶり

 今日の八丁堀は古物漁りにうってつけの陽気です。ギャラリー巡り、下町散策のついでに足をお運びいただけましたら幸いです。

 周到な準備のもとに事を進めるか、出たとこ勝負で成り行きに任せるか、皆さまはどちらのタイプですか?前者は小説家でいえばギュスターヴ・フローベール、安部公房、映画監督でいえばカール・ドライヤー、溝口健二、噺家でいえば8代目桂文楽、後者は小島信夫、磯崎憲一郎、ジャン=リュック・ゴダール、5代目古今亭志ん生といったところでしょうか。
 さて、当店の生い立ちの経緯をカテゴライズすれば、当てはまるのは確実に後者です。思いつきの物件取得、かなり目の粗いザルのような勘定。事業計画も資金繰りもすべては天の采配に身を委ねました。それにしても、ゴダールや志ん生を引き合いに己を語るとは、ずいぶん図々しい話です。成り行き任せから斬新さや奔放さを差し引くと、残るのは怠惰な凡庸さでしょうか。もし時間を巻き戻せるのなら、もっと綿密な計画を練ってから始めますか?と聞かれたら、謹んでお断りしますと答えたいものです。

『各務原 名古屋 国立』小島信夫 講談社
2002年3月29日初版 帯
2,000円
電卓 EL-8100S型 シャープ1974年製
縦121横84厚さ29ミリ    
稼働状態良好 ストラップ欠け
SOLD OUT  


2014年5月16日金曜日

発掘

 本日は古書を仕入れに行ってまいりました。開店時間を遅らせてまで仕入に行くからには、いっちょドでかい掘り出しのひとつでもしてやろうじゃないの!と出かけて二駅ぐらいは勇んでいるのですが、そのうち、この世に本当の掘り出し物なんてあるわけがない、そもそも目端が利くわけでもないし資力も無いのに、そんな山っ気を出して仕事をしなさんな!と、もう一人の自分の声が聞こえてきます。いや、一人ならまだしも、どうも五人ぐらいに言われてるような気もします。それがクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングみたいに神々しいハーモニーを奏でているのならばともかく、どちらかと言えばポーツマス・シンフォニアの声楽版といった感じで頓珍漢なまでに調子っ外れなので、現場に到着するまでにおそろしく消耗してしまうのでした。 
 こんな精神状態でいいものを探り当てることができるのだろうか。会場はけっこうな人だかり。メンタル、予算、本棚の前で沈黙のモッシュを繰り広げる人たち。戦うべきものが多すぎやしないか・・。そんな愉快で爽やかな洗礼を受けながらも少しは買えました。乏しい在庫も少しずつ増えておりますので、お近くにお越しの際には、どうぞお立ち寄りくださいませ。
弥生土器
高さ13.9センチ胴幅12センチ
派手にぶち割れたモダンな線刻の土器。
SOLD OUT

2014年5月15日木曜日

ふつう

5/16(金)は仕入のため14時からの開店です。
5/18(日)は定休でお休みです。
よろしくお願い致します。

 インターネットが浸透しまくって、そこからの情報が世間の平均状態になっているので、情報量は多いのに、もうみんな知ってることばかりだったりしますね。こういう世の中で情報通だなあと感心されるのは、自分の足でいろんな場所におもむき、一次情報に近いものを取り込んでいる人でしょう。その場所がたとえ場末のビルの一室の古本屋であったとしても・・・。しかし当店の登記上の住所は中央区ですから、実際は場末どころか都心も都心なのですが、どういうわけか世の果てのような雰囲気を醸し出しているのです。そこはかとなくつげ義春的であり、同時に海芝浦駅的であるような場末感の贅沢なまでの豊穣!
 皆さまのお運びをお待ち申し上げております。

美濃系の猪口
江戸後期 高さ48ミリ口径70ミリ高台35ミリ
普通といえば普通。濁った肌が一見野暮ったい
のに、小振りで線がシャープ。       
SOLD OUT  




『つげ義春全集』1〜8巻+別巻1
筑摩書房 1993年10月25日〜1994年6月25日全て初版
カバー上部のヨレた巻があるも全体的に状態良
SOLD OUT


2014年5月14日水曜日

裸で行かざるを得ない

 店を開いて早いもので2週間。多くの方々のご愛顧を得て、ここまでくることができました。今後とも一層の精進を重ねてまいりますので、なにとぞご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。そんな不遜な発言さえ飛び出しかねない今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
 縁あって始めた商売ですから、この先あと50年ぐらいは続けたいものだとしみじみ思うのですが、新古を問わず本に携わる業界の冷え込みようは歯止めがきかないようです。問題点はしかるべき箇所からしかるべき指摘がなされていますので、ここであれこれ言うのは差し控えます。というか、単に事情がよく分かってないから何も言えないだけなのですが・・。
 とにかくみんな、紙面になんらかの情報が印刷されて綴じられた一般的に「本」と呼び習わされているあの形態に飽きちゃったということなんでしょうか。いや、あの紙の手触りや匂いがいいんだとか、本の佇まいは電子では再現できないよとか言われたりもしますが、何かが失われていく時は、もうそういうノスタルジーやフェティシズムによっては防ぎきれないのだと思います。
 と言いながら、自分が始めた商売はそういう郷愁や物神崇拝をあらかじめ当て込んでいるのですから、いずれどん詰まりになる宿命を背負っているわけです。でもそれはそれでとても楽しいことなのではないでしょうか。皆さまのご来店をお待ちしております。

ブリキの小箱
52×76×30ミリ
潔いただの箱。いわば裸の形です。
SOLD OUT

2014年5月13日火曜日

とってつけたような

明日5/14(水)は、仕入のため14時〜の開店です。
よろしくお願い致します。 

 おそろしく哀しい節回しで「となりのトトロ」を電車内で唄う小学4年生ぐらいの男子に遭遇した時の対処法が載った本を探しています、と言われたら古本屋はどう対応したものでしょうか。「おそらくそんな本はこの世に存在しないと思います」とはっきり言うか、「その類いは、関西の方で出るかもしれないですね。大阪の業者にあたってみましょう」と知ったかぶりの誠意を見せるか。商売の難しさを痛感する局面です。
 当店では今のところそうしたお問い合せはいただいておりませんが、何かの因縁でこういう商売を始めたのですから、ご質問には頑張って答えたい、という意欲だけはあります。ただその意欲を支えるに足る知識と経験と資力と体力がないのでした。ずいぶん何もないですねと言われそうですが、なけなしの能力をふりしぼって邁進してゆく所存でございます。

『ベケットの小説』オルガ・ベルナル
安藤信也訳 紀伊國屋書店 1972年6月30日初版
なけなしの言葉でなけなしの想像力を駆使して
書くことの実践者サミュエル・ベケットの小説論
900円


2014年5月12日月曜日

勘違い

 誰も来ないビルの一室で午後のひとときを無為に過ごす。モルディブの最上級のコテージで波の音と眩しすぎる陽光に包まれて、世界から隔絶された気分を味わっているかのような錯覚に陥ります。八丁堀とモルディブ。もしや姉妹都市提携でも結んでいるのでは?と調べてみるも、特に関係はないらしい・・。日本モルディブ友好協会というNPO法人が月島に存在するようですが、当店との接点を見いだすことはできそうもありません。もちろん、月島でもんじゃを食べてから当店にお越しいただくことは、セントラルイーストトーキョーの今後の観光モデルとして大いに推奨したいところです。生産性に背を向けて、時には思い切り無為に一日をお過ごしください。お待ちしております。

『ボードレール批評1〜4』
シャルル・ボードレール 阿部良雄訳 筑摩書房 ちくま学芸文庫       
1999年初版 1巻 美術批評Ⅰ、2巻 美術批評Ⅱ・音楽批評、           
    3巻 文芸批評、4巻 アフォリズム・書簡           
 生涯を無為に過ごすことに賭けた詩人の透徹した眼               
4冊揃い SOLD OUT

 
 

2014年5月11日日曜日

とても儚い

 本日は日曜日ですが、開店しております。八丁堀はビジネスの街なので、日曜はとても静かです。ぼーっとされたい方はぜひ当店でぼんやりお過ごしください。

 ブログにはページビュー統計という項目があって、どれくらいの人が自分のブログを開いてくれたかを発信者が把握できる仕組みになってますね。折れ線グラフが表示されたり数字が並んだページがあって、私は正直どこをどう見ていいか分かってないのですが、7とか8とかたまに13とかあるので、これがページビューの回数だろうと適当に判断しています。この数字を見て思うのは、へーっ、こんなに多いんだ!ということです。
『Godard et Mieville 2003』パンフレット
アニープラネット発行 企画監修 蓮實重彦
ケース入               
「カラビニエ」はなかったので、こちらをご紹介。
「ヒア&ゼア・こことよそ」「うまくいってる?」
「勝手に逃げろ/人生」「右側に気をつけろ」   
についての解説、対談。         
1,000円
          
  
ごく私的な宣伝媒体のつもりで綴っている駄文がこれだけの人目に触れているというのは、少しばかり心が震えるできごとです。ゴダールの1963年の映画「カラビニエ」は、封切り2週間の観客動員数が18人であったという理由で上映打切りになったそうです。それを聞いたゴダールは、その18人がどんな人かぜひ知りたい、と言ったらしい。たしかに動員1,000万人ではもはや誰が誰だか分かりませんが、18人であれば、ことによると名前や顔など全員分を覚えることが可能です。
 みんなを呼んでティーパーティーを開催することさえできる人数を相手にすること。最大公約数的ななめらかさを拒否して、私的な凸凹した部分を捨てないこと。当店は零細以下の微粒子のような商いですから、そのあたりが楽しく生き残る道かもしれません。図らずもこのブログに来てしまった人を強制的に八丁堀に招集するシステムを構築できたらいいのですが。なにとぞよろしくお願い申し上げます。


 
 

 

 

2014年5月10日土曜日

表面で一斉に射撃せよ

 昨日の八丁堀はくるくる空模様が変わる変な天気でした。今日はいい天気ですが、ちょっと風が強いです。お越しいただく際は、どうぞお気をつけて。

 昨日に引き続き、プラグマタで開催中の「GRAFFITI グラフィティ 杉田明彦(漆)松岡学(日本画)」展の話を。テクスチャーなどという言葉を美大出身でもないくせに知った風に使いましたが、ものの質感・触感などの表面の効果を総じて含んで言い表したいときには、ずいぶん便利な言葉のようです。
 杉田明彦さんの作るものは、一般的な漆器のなるべくニュートラルであろうとする質感に逆らったテクスチャーを持っています。だからと言って、変にざらざら、ごつごつしているわけではなく、むしろしっとりとして手に吸い付くような手触りさえあります。杉田さんの漆器のテクスチャーが一見して普通と違って見えるのは、インダスや弥生の土器、室町の鉄鉢の形を漆器で再現してみたいという杉田さんの造形感覚の必要に応じた結果なのかもしれません。手元に置いて使いたいものばかりです。とにかく現物を見ないとはじまらないので、5/18(日)までの期間中にプラグマタに足を運んでみてください。そしてできましたら、そのあとで当店、書肆逆光にもお越しください。
 松岡学さんの絵は、日本画という範疇からかなりはみ出しているように見えますが、作成方法をうかがうと、自分にはよく分からないながらも、どうやらそれは日本画の伝統に則っているようでもあります。支持体になる板に銀箔をのせてから岩絵具や質感を方向づける画材で描いていくと言うのですが、描くというよりは削り出すと言いたい物質感にあふれています。題材は必ず具象ですが、見え方は抽象ぎりぎりのラインです。松岡さんの作品も現物で見てください。そしてしつこくて恐縮ですが、当店へもついでにお立ち寄りくださいますようお願い申し上げます。
黒漆の猪口
口径7.8〜8.1センチ 高さ5.5センチ
高台直径4.5センチ       
江戸後期 口まわりに数カ所あたりキズ
SOLD OUT

緑釉のタイル
11.5×11.3センチ 厚さ2センチ    
オランダ17世紀          
7,500円  
      
     


 

 

 

2014年5月9日金曜日

希臘と日本

 今日は仕入のあとの開店前にギャラリープラグマタで本日から開催の「GRAFFITI グラフィティ 杉田明彦(漆)松岡学(日本画)」展を見てきました。見てきたと言っても、プラグマタは当店の入るビルの3階にありますので、ここから4秒ぐらいでアクセスできます。ひゅんっと行ってひゅんっと帰ってこられるのですが、ひゅんっと帰るには惜しい素晴らしい展示です。
オーナーのペトロスさん(ギリシャ出身)のもの選びの重点はテクスチャーにあります。つるぴかのキレイなものではなくて、ザラついていたり枯れていたりする、どこか手強い味わいが好みのようです。で、今回の展示のお二人もまた、漆工と日本画という保守的なジャンルに新しい質感をもたらした作家です。じっくりと見て選んで、できれば手元に置いてください。そしてそのあとにはぜひ当店に足をお運びくださいませ。 

「GRAFFITI グラフィティ 杉田明彦(漆)松岡学(日本画)」展は5/9(金)〜5/18(日)まで

2014年5月8日木曜日

今日は何の日②

八丁堀、ちょっと雲が出てますが、いい陽気です。
12時〜19時の営業です。どうぞお運びください。

5/9(金)10(土)は仕入の為、13時〜の開店となります。
ご了承くださいませ。

 さて、5月のこんな素敵な陽気の日には、店なんか飛び出して、新大橋通り沿いを行き交う人たちを誰彼かまわずつかまえ、こう聞いてみたいものです。
 「今日が何の日だか知ってますか?」
 ある人は「たしか128年前の今日、アトランタの薬剤師がコカ・コーラの販売を始めたんじゃなかったっけ」と言い、またある人は「かたせ梨乃の誕生日でしょ。それが何か?」と言うかもしれません。
 けれども当店が皆さんにできれば覚えていただきたいこと、それは今日5月8日がトマス・ピンチョンの誕生日だということです。ピンチョン?それってうめえのか?(野沢雅子の声で)と思われる方は多くいらっしゃるでしょう。
 トマス・ピンチョンは1937年5月8日生まれのアメリカの小説家で、2014年現在、長編6つと中編と短編集を1つずつ発表しています。デビュー作『V.』が1963年刊行ですから、半世紀の作家歴からすると異様と言える寡作です。また、公式の場には一切顔を出さず、世に流通している顔写真は3枚だけ、それも20代の頃のものですから、現在進行形のパブリックイメージとしてのピンチョンを世界は把握していないと言えます。かつ、発表される作品の重厚さが謎の作家ぶりに拍車をかけています。にもかかわらず、作品はすべて一度は邦訳されており、現在、新潮社よりトマス・ピンチョン全作品が新訳で刊行中です。新潮社は同じコンセプトでガルシア=マルケスの翻訳も出版していますから、文芸ファンの中には、神楽坂方面に足を向けて寝られないという人もいるそうです(適当)。ピンチョンの作品は以下の通り。
 
「V.」「競売ナンバー49の叫び」「重力の虹」「スローラーナー」「ヴァインランド」「メイスン&ディクスン」「逆光」「LAヴァイス」
 
 当店の屋号はピンチョンへの断りなしに、その邦題からいただいています。その小説の雑多なエネルギーの顰みに倣うつもりで付けたのですが、今のところは吹けば飛ぶような店と言わざるを得ません。ピンチョンのエージェントからクレームを受けた場合は、ただちに屋号を変更しなければいけませんが、その時は「ドキドキ書房」とか「おもしろ書店」ぐらいのキャッチーな店名にしようと思います。
 ピンチョンは次回作「Bleeding Edge」の発表が予告されています。
『重力の虹』の原著『GRAVTY'S RAINBOW』
1973年刊行 写真のPICADOR版は1975年発行
A5版ペーパーバック 厚さ4.5センチ     
小口三方ヤケ、背折れ跡         
1,000円