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2015年2月25日水曜日

我と汝

26日(木)は仕入に行ってまいります。開店は15時頃になります。
27日(金)も仕入なのですが、未だ開店時間が定まりません。
判明次第すぐにお知らせいたします。
どうかご了承下さいませ。

3月1日(日)は有楽町東京国際フォーラムの大江戸骨董市に
出店予定ですが、現時点での当日の天気が微妙ですね。
好天になることを祈りつつ、皆さまのお越しをお待ちしております。


 近頃、割と驚いたことと云えば、ハーゲンダッツの「もち」です。先日、ハーゲンダッツジャパンが新製品として発売した「華もち」シリーズの「黒みつきなこ」と「みたらし胡桃」のうち、「黒みつきなこ」を食べてみました。冷凍の乳脂肪系餅菓子の先行商品としては、「雪見大福」がありますが、ハーゲンダッツが餅をアイスクリームの材料として如何に処理するのか、大いに興味の湧くところです。中に練り込むのか、やはり大福のように外を包むのか。
 そんな切実な好奇心と探究心を背負いながら、蓋を開けビニールを剥がすと、きな粉をまぶして平たくのした餅がアイスの上に乗っかっていました。そのまま・・。一瞬意表を突かれた思いでしたが、その素材感を即物的に生かしたあたり、これはアイスクリームにおける「もの派」なのだと思い立ちました。菅木志雄の東京都現代美術館における回顧的な個展開催といい、李禹煥の市場での再評価といい、おそらく世間の「もの派」再考の機運に乗って世に出たアイスなのだろうと。そう考えるとこのアイス、たしかに自己と世界の関係性を新たに再構築していこうという気概に満ちた味がすると思いました。





石錘 縄文時代 SOLD



2015年2月23日月曜日

姦しき犇めき

26日(木)は仕入のため開店は15時頃になります。
27日(金)も仕入なのですが、現時点では開店時間がどうなるか
分かりません。目処がつき次第お知らせいたします。
なにとぞご了承くださいませ。

3月1日(日)は有楽町東京国際フォーラムで開催される
大江戸骨董市に出店いたします。
皆さまのお運びをお待ちしております。


 連日ゆで太郎に通いつめていたら、資産計上した方がいいのではないかというほどに無料クーポン券が溜まってしまいました。それらを消費するために一層ゆで太郎通いに精を出している今日この頃です。今日のゆで太郎がまたいつになく混雑していて、立ち食いもままならない状態でした。ラッシュ時間帯のJR山手線外回り上野〜御徒町間ぐらいの入りで、人と人の間に挟まれた体が少し宙に浮くのではないかと思ったほど。これをヒントに、浮き食い蕎麦という新たな業態で、ビジネス界に満を持して新規参入しようかと考えたほどでしたが、肉そばにわかめをのっけて食べているうちに、そんなことは忘れていました。
 この界隈は勤め人ばかりですから、飲食店であればよほどひどいものを提供しない限り、そこそこの集客が見込めると思うのですが、古物業となるとそうはいきません。人はお昼ご飯を欲するようには、古本や古道具に興味を持つことはないようです。三度の飯より古本が好きという人種がこの世に存在することは知っていますが、そういう方と当店が出逢う確率は今のところ低いと思われます。なんでも、地球がこの宇宙に誕生した確率というのが、かき混ぜた25mプールにバラしたラジオだか時計の部品を放り入れて、自然に元通りに組み上がるのと同じだとのこと。さすがにそれよりは多少高い確率で来てくださるとは思うのですが、どうでしょう。というか、それは確率の問題ではなくて営業努力の話ではないでしょうか。と、分かり切ったことを、さも今さっき気付いたように言ってみました。
 今週もよろしくお願い致します。


「ジャンニ・コロンボ展」図録
1999年10月2日〜11月16日 草月会館
レッジャーニ社 協賛 勅使河原 宏 監修
30×30センチ変型版







3,000円




2015年2月22日日曜日

時よ止まれ

 春の気まぐれな天気に祟られて、貴重な収入の確保元である本日開催予定の蚤の市が中止になりました。そこで多少なりとも日銭を稼ぐべく、本来は定休である日曜日に店を開けることにしました。そもそもこの辺りはオフィス街なので、日曜ともなれば、生きとし生けるもの全てが生命活動を停止してしまったかのような様相を呈するのです。もちろん微粒子レベルで解析すれば、様々なものが蠢いていることを確認できるのでしょうが、肉眼の次元では、ほぼ時間が止まっていると言っても過言ではありません。
 それでも何人かの方にご来店いただき、時の彼方に葬り去られることなく過ごすことができました。ありがとうございます。静謐な風景の中でわずかに動きを見せる当店は、まるでベケットのある種の芝居のようです。と言うと、演劇関係者に叱られそうですが。
 次回の出店予定は、有楽町東京国際フォーラムで開催される大江戸骨董市です。少しは目新しいものをお披露目できるように、涙の仕入に奔走いたします。


 


『ベケットの友情 1979-1989』
アンドレ・ベルノルド
安川慶治・高橋美帆訳 現代思潮新社
2011年12月22日初版 帯
現代演劇史上最もフォトジェニックな作家
サミュエル・ベケットの最後の友人が描く
最晩年の肖像             

1,300円


 

2015年2月16日月曜日

力への意志

20日(金)は仕入のため開店は13時30分になります。
21日(土)も仕入です。15時頃の開店になるかと思います。
なにとぞご了承くださいませ。


 二日間店を閉めたうえに、収入源の大江戸骨董市までも休んだのは、夜逃げの画策をしていたわけではなく、「gellery's eye 選ぶ力」というイベントの手伝いに出ていたからなのでした。工芸やアートを扱う10軒のギャラリーが、元麻布のカイカイキキギャラリーを会場として、招待日を含めた3日間、各々が推す作家の作品を展示販売する催しです。集まるギャラリーは名だたるところばかりですが、単なるオールスター勢揃いの販売促進企画ではありません。イベントタイトルにある「選ぶ力」には、情報流通の発達やフェアの広がりによって、大きく一般に膾炙した器や工芸への視線を見直す作業が含まれています。裾野が広がれば起こるであろう作り手と買い手の馴れ合いに、両者を仲介するギャラリーがどう対していくのかという問題が提起されているわけです。この催しは工芸美術販売の歴史に刻まれる出来事ですから、動員数や売上の多寡だけで判断されるものではないでしょう。これから時間が経つにつれて、徐々にその意義が浮かび上がってくるのだと思います。
 と、知ったふうに書いておりますが、当店は手伝いと言っても、受付でぼんやりと佇んでいただけだけです。出店ギャラリーが錚々たるメンツなだけあって、来場する人たちの雰囲気も相応に華やかに見えました。少なくとも神田の古書即売会に足を運ぶ人とは、相当に違うようです。関心領域の差が見た目の違いとなって顕われることはあるでしょうから、単純に言い切れる話ではありませんが、なんとなく格差という言葉が頭に浮かんできて、これはすぐさまピケティを買って読まねばと思った次第です(ウソ)。
 仕事を抜け出して覗き見した範囲ですが、今回驚いたのが樋渡賢(ひわたし けん)という蒔絵の作家。やや内抱えの薄作の木地に丹念に塗られた漆に、金や貝殻によって意匠が施されているのですが、それが凄まじいまでの超絶技巧。ふだんはこのような上手ものに食指を動かされることはないのですが、どういうわけか気になって物欲しそうに眺めていたところに、樋渡さん本人がいらして、いろいろ話を伺うことができました。こういうものを作るには、やはり最上級の材料と道具を揃えなければできないとのこと。その小さな漆の盃を見ていると、すべての素晴らしい良きものがそこに集約されているように思えてきたのでした。







搬入日の準備風景
うつわノートと季の雲

こちらも準備中
桃居とJikonka Tokyo

DEE'S HALL



展示風景
比較的空いている時間帯です

こちらも空いたところを見計らって
撮った一枚           

オープニングパーティーでギリシャ料理をふるまう 
プラグマタのオーナー、ペトロス・テトナキス氏  




うつわノート、桃居、yamahon、feel art zeroの
オーナー各氏と陶芸家小野哲平氏によるトーク




撤収中


会場で販売したこの冊子は、各ギャラリーで
取り扱います。当店にも少部数入荷予定。 
税込800円  








 

2015年2月10日火曜日

まだ見ぬ強豪

12日(木)・13日(金)は臨時休業いたします。
15日(日)は大江戸骨董市の開催日ですが、今回はお休みです。
なにとぞご了承くださいませ。

 
 昨日は列島に最強寒波襲来のニュース。昆虫や動物や剣豪やプロレスラー、最強論争に関して常に頭を悩ませた幼少時代を経た者にとっては、この手の大仰なキャプションはいちいち真に受けるものではないのですが、外に出たら本当に寒いのでびっくりしました。あっさりと最強の称号を手にした天気に、少しばかりの敬意を払いながら店に向かったのでした。
 そもそも最強と言っても、それは限られた枠の中での相対的なものに過ぎないでしょう。しかしだからこそ、生物種や人為的なルールを越えて戦ったとしたらどうなるだろうか?という命題が永遠のロマンとして輝き続けているのかもしれません。タイワンオオヒラタクワガタと全盛期のエメリヤーエンコ・ヒョードルが戦ったら?チベタン・マスティフと大木凡人がゴールデン街で喧嘩したとしたら?そんな解けない謎こそが、人類が叡智を磨き続ける糧なのかもしれません。「最強の品揃えでお迎えする最強の古本屋、書肆逆光」。いっそう誰も来なくなりそうなキャッチフレーズですね。
 今週は休みが多いのですが、どうぞよろしくお願い致します。

「全日本プロレス  WORLD CHAMPION CARNIVAL 85'
公式パンフレット」
全日本プロレス(株) 1985年10月4日
ホーク・ウォリアー、テリー・ゴディ、馬場、鶴田、
三沢、ラッシャー木村、ビル・ロビンソン、    
表紙だけで7人がもうこの世にはいないのです。   
1,500円

『「絶対」の探求』オノレ・ド・バルザック
水野亮訳 岩波書店 1995年2月16日第35刷
SOLD OUT


             
            








 
 
 
 


2015年2月7日土曜日

ひとり

 東京都千代田区の紀尾井町に社屋を構える株式会社文藝春秋社が毎月7日に発行している、主に女性向けの情報を主体に編集された雑誌である「CREA」の3月号に当店、書肆逆光を掲載していただきました。ひとりで歩いても面白い街、東京。というディレクションで編まれていて、いろいろな切り口で分けられた区域について一家言あるナビゲーターが、おすすめの店を紹介するという形式の東京ガイドです。



 書肆逆光は「古いビル」という括りで、森岡書店の森岡さんがおすすめしたという建て前で載っております。本当に面白いと思ってすすめて下さったのか、森岡さんの心中を察することはできませんが、ありがたい話であり、感謝の念に堪えません。実際、当店ひとつではさほど面白くないでしょうから、同じページには、ウチの上の階のギャラリー、プラグマタと交差点を越えた川沿いにあるパンとコーヒーの店、Cawaii Bread&Coffee、そして茅場町の森岡書店が載っています。この並びにあると、当店あたりも少しは面白そうに見えてくるから不思議です。もちろん大勢でのご来店も歓迎いたします。狭い店ですが、25人ぐらいならばなんとか入れそうです。皆さまのお越しをお待ちしております。

森岡書店は銀座に今年、新店舗をオープン予定、
    との情報が。すごいですね・・森岡さん。       
                 

 
 









2015年2月4日水曜日

紙の見えざる

6日(金)は仕入のため開店は15時頃になります。
なにとぞご了承くださいませ。


 日曜日の大江戸骨董市でのこと。朝、荷解きをして陳列の準備をしていると、風に吹かれて一枚の紙片が足下に飛ばされてきました。一見して、優良銘柄の株券や土地の権利書でないことは明らかで、ましてや日本銀行券であろうはずがなく、そのまま捨て置こうかと思ったのですが、ゴミの放置を見咎められて出入り禁止になっても困るので、その紙切れを拾って広げてみると、それはこんなものでした。



 週刊漫画アクションに掲載されたつげ義春の漫画のページです。掛軸を拾った浪人のエピソードを描いた「不思議な絵」という短編ですね。初出は東考社のホームラン文庫かなにかのはずで、これはもちろん再掲でしょう。それにしても、こうして飛んでくるのが鳥山明や尾田栄一郎ではなくて、つげ義春の漫画であることに、何かしら当店の行く末を暗示する宿命論的な意図を感ぜざるを得ません。



 よく見れば八丁堀の地名も出てきますし、当店との関わりは深まるばかり。古物の商いなどというのは、決して長者番付に載るような仕事ではないことを遠回しに知らしめるために誰かが仕組んだのでしょうか。なんであれ、つげ義春的なのは素敵なことですから、悦ばしいかぎりです。



こんなことを言っては、たいていうまくいかずに
終わっています。                













2015年2月2日月曜日

蕎麦とモダニズム

 昨日は東京国際フォーラムで開催された大江戸骨董市に出店いたしました。どうかと思うほどの爽やかな青空の下、大勢の方においでいただきました。ありがとうございます。さて売上はと云うと、芳しいとはなかなか言い難いものでありました。儲かったら帰りにヤナセに寄って、ベンツのS65AMGクーペでも買うつもりでいましたが、どうもトミカのトヨタポルテさえも買えるか危うい始末。仕入にもっと骨身を削らねばならぬと骨身に染みたのでした。泣きながら良いと思われるものを集めてまいりますので、今後ともなにとぞご贔屓のほど。次回の骨董市出店は、22日(日)の乃木神社骨董蚤の市です。
 入ってくるものが少なければ、諸々引き締めるべき箇所が生じます。衣食住のうちで、いちばん緊縮の融通を利かせやすいのは食だと思うのですが、だからと言って下手に昼ご飯抜きなどにすると、空腹に耐え切れずおやつをモリモリ食べ過ぎて、却って食費が嵩みますから、何かしら腹には入れておいた方がいいでしょう。中華シブヤは量と味を考えれば決して高くないとはいえ、ニラ玉とライスで800円ですから、今の自分の境遇ではまるで王侯貴族の晩餐のように思えます。そんなランチの迷い人たちが最後に足を運ぶ楽園が、ゆで太郎だと言われています。ですから、今日も自然と足はゆで太郎八丁堀店に向かいました。すると、入口に無料クーポン券配布中ののぼりが立っています。この券は、ゆでたりあんであれば誰もが知る魔法のクーポンで、イカ天・大盛・コロッケ・わかめの無料券が2枚ずつ計8枚ミシン目でくっついていて、現金換算すれば760円に相当します。かけそば290円にその日の気分でクーポンをプラスすれば(使用は一回一枚)、一食分としてはそれなりのものになるはずです。まさに券一枚が黄金一粒に値すると言っても過言ではないでしょう。当店でも人に優しいそんな小粋なサービスをいつかしてみたいと、とってつけたように思った次第です。今週もよろしくお願い致します。


『JAMES JOYCE and his world』
CHESTER G.ANDERSON
THAMES AND HUDSON 1967年 英文
SOLD OUT

「ゆで太郎 節分祭 無料クーポン券」
有効期限:2015年4月末日
760円相当

133年前の今日はジェイムズ・ジョイスの誕生日。
写真はシェイクスピア&カンパニー書店の     
    店主シルヴィア・ビーチとジョイス 。