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2016年6月27日月曜日

人生劇場

7/3(日) 東京国際フォーラム大江戸骨董市に出店いたします。

7/7(木) 搬入休
7/8(金)・9(土)・10(日) 教草〜繕いの古布〜開催

7/17(日) 東京国際フォーラム大江戸骨董市に出店いたします。

インスタグラムにもお目通しを。こちらから→👃


 ワイルドサイドを行け、という処世訓に倣って、日曜日は乃木神社骨董蚤の市へ行商に出ていました。同日に開催されていた赤坂や代々木ではなく、敢えて乃木神社での出店を選択する心意気が、乃東枯(なつかれくさかるる)の陽射しと相俟って境内を包み込み、木陰に並ぶ物とともにやさしい雰囲気を醸し出していました。とか言いながら、半日ぼんやりしていたようで、記憶はいささか曖昧です。
 荷解きして品物を並べていると、早速に蚊たちによる吸血の洗礼。目が慣れてくると、蟻やダンゴムシが地を這い回るのが見えてきます。何かしら意図を持って動いているのか、その懸命な仕事ぶりは「俺はお前に負けないが、お前も俺に負けるなよ」と励ましてくれているかのようです。もっとも彼らにしてみれば、「誰もそんなこと言ってねー」と思うでしょうが。頭を上げれば、枝と枝の間をせわしなく飛び回る小鳥たち。囀りが「今日は一財産つくれるよう頑張ってね」と聞こえます。実際そう聞こえたら、早々に撤収して家で寝ていた方がよさそうですが、そんな他愛のない擬人化ごっこで時を過ごすのが、何より楽しい乃木神社です。毎月第4日曜日開催。散歩がてらぜひお立ち寄りください。
 さて売上げはと云えば、やはりイギリスのEU離脱に関わる諸問題の影響か、芳しいとは言えませんでしたが、それでも、豊かな生態系と触れ合うことで心身共に健やかになった気がします。いずれ気のせいだとしても、人生が夢うつつなのであればそれも良しとするか、と取ってつけたように思ったのでした。では、今週もよろしくお願い致します。

乃木神社骨董蚤の市。白昼夢のような光景。

ストーンヘンジのような蚊取り線香の跡。

現在の店内風景。少しトライバルな雰囲気です。   
気になる物がございましたら、お問い合わせください。






2016年6月21日火曜日

生き残り頭脳警察

24(金) 仕入に行ってきます。14時の開店です。

26(日) 乃木神社骨董蚤の市に出店いたします。

7/8(金)・9(土)・10(日) 教草〜繕いの古布〜開催

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 天候与件によるイレギュラー開催やこちらの不注意が重なり、長らく遠ざかっていた大江戸骨董市に久しぶりに出店してまいりました。何はともあれ、家賃の足しを稼ぎ出さなければならぬという至上責務を担っての行商ですので、出店料を払うや否や、あたかも宿命に覚醒した戦士の如く、勇ましく品物を並べまくりました。ブースの前には人だかり、物を出すなり右から左に売れていく、ということは一切なく、悠久の時の流れに身をまかせるような半日でした。お運び、お買い上げくださった方々に感謝申し上げます。
 点店も無事終了しましたが、イベント流行りの昨今、ひと息ついてなどいられません。にもかかわらず、ひと息もふた息もついているのが現状ですが、それはひとえに店主の状況処理能力の欠如によるものであって、事態の推移が切迫していることに変わりはありません。まずは7月。教草さんの企画販売、テーマは繕いの施された布です。もちろん逆光の古書・古物も並べますので、併せてご覧いただけましたら幸いです。8月もひとつ企画が進行中・・と言っていいか分かりませんが、何かが催されることは決定しております。詳細は追ってお知らせ致します。9月は一件妄想中、10,11月は決まってます。これも詳細は後日。12月は小売業にとっては、年間最大の売上高を取るべき月なので、もちろん何かやります。
 とこんな感じで、妄想と皮算用だけで何かをやった気になることにかけては、業界でも上位に食い込めるのではないかと思っているのですが、残念ながら実証の手立てがありません。では、今週もよろしくお願い致します。


『人間喜劇』 サロイヤン 小島信夫訳
研究社 1957年8月20日初版
1,300円 
『軽薄派の発想』 吉行淳之介
芳賀書店 1966年2月25日初版 背ヤケ 帯欠 小口シミ
800円
『算術と数學の歴史』 吉岡修一郎
誠文堂新光社 1941年4月1日初版 函 
sold



 
 
 

2016年6月17日金曜日

山桜桃梅が咲いたら

19(日) 有楽町東京国際フォーラムの大江戸骨董市に出店いたします。

21(火) 会津若松の狂える虎こと相田雄壱郎氏による金継ぎ教室開催のため
店舗営業は18時までとなります。世界が刮目する氏のブログはこちら→『雄壱郎雑記

7/8(金)・9(土)・10(日) 教草〜繕いの古布〜開催

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 神田古書会館の即売会に行くも、見流す程度。北村透谷の『楚囚之詩』でもあれば買おうと思っていたのですが、見つけられませんでした。このまま店に戻っても、貴重な午前中の行動のオチがつかないので、御茶ノ水駅に取って返して、中央線で高円寺まで出向きました。まずは「太陽」で腹ごしらえしてから、作家の器で日本各地の和菓子を供する店「山桜桃屋」へ。蚤の市でやけに渋いものを買い回っていて、時折は逆光でも買い物をしていただいていた若い女性が、今月の8日に始めた店です。「ゆすらや」と読みます。
 まずはこの経済状況下で店を開こうという蛮勇に驚かされますが、物件を人気の中央線沿線であっさりと見つけてくる引きの強さもすごいものです。小さなお店ですが、自分が探してきた上質な和菓子を食べてもらいたいというシンプルなコンセプトが、什器や造作とよく合っています。日々の鬱屈が洗い流されて、清らかな気持ちになりました。繁盛の暁にはぜひ雇ってもらいたいと思いました。


白い麻の暖簾が爽やかです。




さすが高円寺の商店街とあって、ひっきりなしに
人が行き来していました。羨ましい。     
        

山形の梅のお菓子と冷たい煎茶。
相当美味しいです。      




店主が買い付けた古物にいけられている
野の花。              






 
 

2016年6月16日木曜日

経世済民

17(金) 仕入のため14時の開店です。

19(日) 有楽町東京国際フォーラムの大江戸骨董市に出店いたします。

21(火) 漆工界の人間魚雷、相田雄壱郎氏による金継ぎ教室開催のため
18時に閉店いたします。夏は国産漆を満たしたプールで泳ぐと噂される
氏のブログ『雄壱郎雑記』は必読です。

7/8(金)・9(土)・10(日) 教草〜繕いの古布〜開催

インスタグラムも細々とやってます。こちらから→👃


 店で日曜日(大江戸骨董市)の晴天を祈って窓越しに空を見上げていると、比較的高齢の男性が店内に入ってきました。東京都の使いで動いている旨を証明する札を首からぶら下げています。もしや都知事選の出馬要請!?と思いきや、手渡された一通の書類。「平成28年経済センサスー活動調査」と書かれています。概要としては、我が国の産業構造の実態を知るための調査だとのこと。ヒエラルキーの相当下の方にいる古物商の生きざまを国に知らしめる絶好の機会到来です。血反吐で書かれた赤裸々なドキュメントに国政も騒然。経済産業省の審議官クラスが大江戸骨董市を視察訪問。そんな妄想を胸にまた空を見ると、雨が降ってきました。今のうちに降るだけ降って、日曜はどうか晴れますように。


駒引きの絵馬、荒川で拾ったソフトボール、木綿のハギレ、
二つ組の黒塗椀、サンヨーの懐中電灯、パレット、    
堅手の壺、「綴方集 風の子」、縄文土器片・・      
 こういったものを売って日本経済を担っています。    




2016年6月15日水曜日

宇宙の民芸

17(金) 仕入のため14時の開店です。

19(日) 有楽町東京国際フォーラムの大江戸骨董市に出店いたします。

21(火) 会津が生んだ狂乱の貴公子、相田雄壱郎氏による金継ぎ教室開催のため
18時に閉店いたします。世界を本堅地で塗り込めんとする凶暴な意志に貫かれた
氏のブログ『雄壱郎雑記』をご一読のほど。

7/8(金)・9(土)・10(日) 教草〜繕いの古布〜開催 


 お蔭様をもちまして、東京都中央区の辺境に位置する4店舗+5業者による古道具のイベント『点店』の3回目は恙無く終了致しました。こちらの趣旨を汲んで各店を廻ってくださった皆さま、宣伝告知にご協力いただいた方々に感謝申し上げます。
 今回のタッグパートナーとして招聘したのが、教草、じんたの両氏。和物の古布を求道的に極めようとする者、斬新すぎる見立ての荒野を疾走する者、その二人と逆光の品物がどう調和するのか、或いは齟齬をきたすのかを見どころとして提示したつもりでしたが、いかがでしたでしょうか。
 じんた氏の品物は、大江戸骨董市に足を運んでいる人ならば、好みの如何に関わらず視界に飛び込んでいるはずで、さらに言えば、視床下部における副交感神経の調節機能にも何らかの影響を及ぼしている可能性がありそうです。L字菩薩、いくらスティック、鉱物盛り、木彫のボブ、菩薩パウダーなどと、あたかも古来よりそうした名で呼び慣わされているかのように、当たり前の姿で鎮座しているのを見るたびに、一体どこでこんな物を見つけてくるのかと怖ろしくなってきます。点店の準備中、じんた氏が石のような物体を並べているので、「この石みたいのは何?」と聞くと、「あ、石です」との答え。なんの外連味もなく、あっさりとつげ義春の境地に達している凄さを垣間見ました。
 そこに割って入るでもなく、涙ながらの仕入を思わせるでもなく、淡々と古布を並べてみせるのが教草さんです。自分と業歴が同じぐらいと判明している、今のところ唯一の業者です。立て続けになりますが、来月も当店にて共同展示がありますので、今のうちに心に留めておいていただければ幸いです。繕いのある布というテーマを設けて、蒐めてくるそうです。
 そして日曜日には大江戸骨董市があります。天候与件で、ここ何回かはまともに出店してないので、次こそはと、今から天空に向かって念を送り続けています。果たしてどうなるでしょうか。では、今週もよろしくお願い致します。

伝説の「菩薩パウダー」

「鉱物盛り」と遠くに「いくらスティック」が・・。

キュクラデスの石偶!と思ったら、
歯の模型だそうです。      
将棋の駒のようですが、何かが違います。

外では祭りも行われていました。

祭りのあとの静けさ。



 
 

2016年6月8日水曜日

ワンプラスワンプラスワン

 油断していたら6月になってました。もちろん、いかに細心の注意を払っていても、月日の流れを止めることはできないのですが、一回きりの人生の速度がこんなに速いというのは恐ろしいことです。
 というわけで、人生を賭けて6/9(木)より中央区の古道具即売イベント『点店3』を開催いたします。この前の日曜日に予定されていた大江戸骨董市が、天候不順のため前日に早々に中止が発表され、足腰が立たなくなるほど意気消沈したので、鬱憤を晴らす意味も込めて、かつてないほどの気合いで搬入と陳列を済ませたのでした。
 書肆逆光での今回の組み合わせは、教草じんた&逆光。三人寄れば文殊の知恵か三ばかトリオかは歴史が証明するとして、荷解きしてみんなの品物を合わせてみると、どんな詩人も描写できないような不可思議な光景が広がったのでした。古手のインド更紗と木製巨大ピンセット。イクラの卵と縄文土器片。人体模型と李朝の木版地図。これらが同じ空間内に仄かな違和感を湛えながら並ぶ姿は、なかなかの圧巻と言えない気もしないではありません。

素晴らしくかっこいい木彫の鳥が、店内に
入ってすぐに目に飛び込んできます。  

夢の中のような光景。ブニュエルというよりは
フェリーニ的。              

かつて同一平面上に並んだことのない物たちが
棚に収まっています。           

このあたり、天然生活読者にもすんなり    
受け入れられるようにとセットアップしました。
中央の人体模型の一部は、ぜひランチプレートに
使ってほしいとは、じんた氏の弁。      

テーブルの下にはハギレがいっぱいです。
江戸期の布も多く用意されていて、見応え
十分です。教草さんがこの日のために  
泣きながら集めてきたものです。    

こう見ると地味で普通に見えますが、
わりと珍しい物も並んでいます。  

 梅雨に入り雨の予報も多くなってきましたが、『点店3』にお運びいただき、4店舗9業者のそれぞれの心意気を感じ取っていただけたら幸いです。お待ちしております。