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2022年7月4日月曜日

夏泥棒さんたち

 早すぎた夏の償いを理不尽に転嫁されたかのように、近辺に生命反応を一切探知できなくなった街、八丁堀。ここは死の欲動に誘われて、主体の存立基盤さえ揺らいでしまいかねない危険な都市なのだ、とベンヤミンも言っています。いや、言ってないんですが、言ったも同然なぐらい、この夏の巻き気味な前倒しぶりは不気味ですよね。そんな年は決まって何かが起きるもの。何が起きるのかというと、現時点で分かっている限りでは、あなぐりです。骨董屋が八人集まって昨年の二月に神楽坂のギャラリーで開催した古美術の展示即売会なのですが、良き評判をいただいたことを幸いに、今年も同じ場所で実施します。公式アカウントで出展商品の宣伝が始まりましたので、のぞいてみてください。
 さっき店に来るとき、鳩がこちらの真正面に向かって、すごい速度で走ってきました。明らかに体当たりの勢いなのですが、野生の生き物がおいそれと人間にぶつかるはずもないだろうと高を括って避けずにいたら、ぶつかりました。鳥類と人類の予期せぬ接触(コンタクト)。やはり今年の夏は危険な匂いがします。


   小さすぎた水無月と雨漏堅手茶碗