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2014年8月7日木曜日

ペリカン

8/8(金)は仕入のため、14時に開店いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。

 ブログに書くネタがないときは食レポか猫の写真を載せておけ、というのがブログ界の常識なのだと以前に誰かから聞いたような気がします。気のせいかもしれませんが。そこで今朝、浅草橋の喫茶店「Smell」でモーニングを食べたことをご報告しようと思ったのですが、至極残念なことに写真を撮ることを完膚なきまでに失念しておりました。こういう間抜けな事態は、自分にとってことさら珍しいことではないので、特に驚きはしませんが、果たして文章だけでこの店の良さをお伝えできるでしょうか。それならばと猫を撮影しようとするも、八丁堀近辺では野良猫をなかなか見かけません。良い猫スポットをご存知の方はご教示くださいませ。
 で「Smell」ですが、「スメル 浅草橋」で検索すると、かなりの数のブログレポートを見つけることができるので、なにか今さら付け加えることもありませんが、少しだけ。
 店に入るとおじいさんがキッチンでひとりなにやら仕込み中。席について、バタートーストとゆで卵とコーヒーのセットを注文。420円。すると入口近くの間仕切りのカーテンの向こうから娘さんと思しき中年女性登場。同じところからおばあさんも登場。カウンター席で家族の朝ご飯が始まるようです。おじいさんが「やっぱりペリカンはおいしいなー」とつぶやきました。ペリカンとはアフリカやユーラシア大陸に棲息し、マクシミリアン皇帝も飼育したという鳥類のペリカンではなく、台東区寿に店舗を構えるパン屋の屋号です。Smellで出すパンはペリカンから卸しているのです。今ではもうメディアに取り上げられすぎて、入手が相当に困難になっているペリカンのパンをウチは何十年も前から使っているのだということを得意げに披露しながら、おじいさんは給仕してくれました。粉の香りが漂い、持ち重りがするほどみっちりとして、ほのかに甘みがあります。おじいさんが自慢するのも分かります。
 できれば当店でも扱ってみたい思いに駆られます。古本と古道具とおいしいパンの店。何屋なのかもはや分からない・・。そういえば本郷にペリカン書房というあまりにも素敵な古本屋がかつてありました。



「月刊 東京タワー 2月号」
東京タワー出版社 1963年
SOLD OUT
Smellと東京タワーの切なさは
似ている気がします。       












 
 


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