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2018年5月19日土曜日

見えない自由が

インスタグラムもやってます。ぜひご覧ください→👃

 日頃何かとお世話になっている先輩方の主宰する交換会に参加するために、新潟は糸魚川へと行ってまいりました。偶然の天使の微笑みによるものか、行きの新幹線は新進気鋭の骨董商K氏と隣り合わせに。二人で今後の展望を話し合ったり、買ったお弁当の比較検討(チキンとシュウマイ)をしているうちに糸魚川に到着。新幹線というのは、相変わらず戦慄が走るほど快適な乗り物です。
 降り立った先に見える空の広がりは、そこに海があることを感じさせます。地図で見ればたしかに海沿いの町であることは分かるのですが、そこから頭でイメージした空間と実際の土地は、やっぱりずいぶん違うものです。脳内と実地の齟齬感があるほどに、旅の醍醐味も深まるわけで、徐々に高まるテンションを噛みしめながら会場まで歩いていきました。
 通りの店先には雁木と呼ばれるがっちりとした雪よけの屋根が付いています。商店街のアーケードはこの雁木が元になっているそうですね。ふと横を見ると海に続く抜け裏みたいな小径があったり、反対を向けば山の稜線が目に入ってきたりと、視界にとびこむ情報が多様で凸凹してる気がしました。八丁堀近辺ののっぺりとフラットな街並とは明らかに違う重層的な力が漲っていて、こういう土地が古代人の住みたいところなんだと思ったのでした。
 交換会は業界有数の大店のサロンをお借りしての開催。各店舗の年商によって結界が作用して、自分あたりでは入ることさえできないのではと思わせるほどの緊張感があります。しかしお昼にうっかり2500円の穴子丼を食べてしまったお蔭か、割にあっさりと場に馴染むことができました。有り難いことです。会終了後にはもちろん宴が張られまして、新潟はなんでも旨いという先入観があったのですが、魚・肉・酒・野菜、やっぱりどれも美味しいものでした。その後は、カラオケージョンに行ったり、帰宅の途についたり、フィリピンパブに赴いたりと、それぞれの道を歩んでいました。みんな違ってみんないいってやつですね。自分はというと、夜の糸魚川をそぞろ歩きしてみたかったので、独りナイトウォークへ。と言っても、この頃には会場や宿や駅前を何度かウロウロすることで糸魚川に対する馴染みが生じつつあって、そんな気安さから単独行動に打って出る気になったのでした。
 夜もまだたいして遅い時間でなかったのですが、電燈がまばらで街が暗い。夜がしっかり暗いというのは、いいことだと思いました。海を見に行ってみたのですが、イルミネーションでライトアップされてるわけもなく、ただ彼方に闇があるだけ。いい感じのラーメン屋を発見するも、宴会で食い過ぎてもう何も入らず。路地裏散策しようとしましたが、お化けが出たら怖いので止めにして、結局早々に宿に戻りました。狭い部屋で買った物を広げたりしまったりしてました。
 次の日も地元の会に参加させていただき、二日間で少しばかりの仕入もできました。というか、仕入をしなければただの飲み食い旅行です。常に危うい境界で一体何が欲しくて仕事してるのか、と風呂敷の重さを感じながら帰路についたのでした。

ゴダールというよりはアンゲロプロス的な海

路地の先は日本海

途中にこんな神社が

駅前の目抜き通り

海と

山に挟まれた町 糸魚川


宴会に出た魚 セイカイと言ってました
ウスメバルを新潟ではそう呼ぶそうです

夜の糸魚川

夜の散歩中にみた看板類

で、デカいと前を通るたびに言ってみる


えちごトキめき鉄道の線路

土地を売ってました どうでしょうか

帰りも新幹線 持たざる者の豪奢な旅

















 
 

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