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2016年11月15日火曜日

ある日、国立にて

20(日) 東京国際フォーラムの大江戸骨董市に出店いたします

12/9(土)〜13(火) 古道具イベント『点店4』開催


 零細業者たるもの、店が暇だからといって、おやつを食べ過ぎたり、闇金ウシジマくんの無料配信動画に見入ったりするのは禁物です。これらは体と心に良くない影響を与える行為であり、健全な心身を以て資本とする個人事業主にとっては慎むべきことです。
 そこで日曜日、展示続きで疲れた肉体と精神を癒すために、吉原航平氏の『紙偶』展と、一日のみ同時開催されるという『偶の市』を見に国立の台形へ行ってきました。『紙偶』は先のcircleでの『俗の術』と謂わば対を成す展示ですから、本来ならば会期早々に滑り込んで、台形店主特製のプリンを食しつつ、吉原さんに見聞きしたことを紹介したいところでした。『俗の術』では支持体として在った紙が、『紙偶』においては千切られ撚られ貼られることで、直接の存在として世に現れてきたという感じです。木炭での素描の的確さにも驚きましたが、紙による表現は、また別の驚きをもたらします。試行錯誤はあったのかもしれませんが、目の前に在るのは、手に逡巡の跡が見られない明確な造形です。いったいどうしてこんなものが容易く作れるのか、前世の因縁に何かあるのだとしたら、催眠療法で聞き出してみたいところです。
 『偶の市』ですが、こちらは吉原航平&伏木庸平氏の持ち寄りの品を並べた店内蚤の市です。得体の知れない木偶などの民間信仰遺品がテーブルを埋め尽くし、垢抜けた店内の雰囲気と相俟って、意図的に時空を歪めることに成功していました。こうしたものを眺めながら、コーヒーやいちじくのコンポートをいただける店というのは、国内を探し歩いてもそうは見当たらないでしょう。海外に目を向けて熱心に情報を収集すれば、あるいはあと3店舗ぐらいは見つかるかもしれませんが。存在の稀なものというのは、それだけである種の熱を帯びているようです。この蚤の市、当人たちに回を重ねる意向があるようなので、秘かに動向を伺いましょう。あまりの不穏さに、国立市が文教地区の指定から外されてしまったら凄いと思います。

こんなものが貼ってあるので、時おり小さな人たちが
何かを察知して店内を覗き込んだりします。    

卓越した造形。
おそるおそる覗いてみれば、洒落たカフェのような
空間なのですが・・              

テーブルには、もはや飲食店であることを諦めたかの
ような陳列。                  

足下もこんな感じ。 
天井付近も。

松本の七夕人形「カータリ」。   
レースクイーンのような脚線ですね。




 
 

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