逆光手帖
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2014年5月26日月曜日
風が吹いた
いわゆるビル風なのでしょうが、ときおりどの方向から吹いてきているのか分からない一陣の風が、店の窓にぶつかり電線を揺らし看板をなぎ倒し吹き抜けていきます。いろんな形状の建物に影響されて複雑に形成される風の経路を把握するには、流体力学を勉強しないといけないでしょう。それには東北大学流体力学研究所に入所すべきかもしれません。だとすれば、せっかくだから牛タンのおいしい店を知りたい。チェーン系の大手ではなくて、地元の人たちにひっそりと愛され続けている個人経営の名店がきっとあるはず。
通い続けるうちに店主に気に入られて暖簾分け。古本と古道具と牛タンのミクスチャーという斬新な業態がまたたく間に巷を席捲し、一躍経済界の寵児となる・・。そんな微笑ましい妄想にかられながら、商品の値付けをしています。
それにしてもどかんどかん叩きつける風が窓を突き破って、当店の乏しい売上をさらっていきやしないかと、さっきからとても心配です。
『テスト氏』ポオル・ヴァレリイ 小林秀雄訳
野田書房 普及版 1936年9月20日初版
函背ヤケ 線引き1箇所あり 他状態良好
SOLD OUT
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