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2015年10月28日水曜日

夜の果てへの旅

10/31(土)は中央区に点在する古道具屋たちのイベント『点店2』準備のため
店舗は終日お休みいたします。 
11/1(日)〜8(日)は『点店2』です。皆さまのお越しをお待ちしております。


 商品が床に散らばっていたり、什器が斜めになっていたり、現在店内が荒れておりまして、端から見ると「夜逃げの最中なのかな?」と思われるかもしれませんが、実際は11月1日から始まるイベントのためのレイアウト変更を行なっているところなのです。ですから、ややもすると放漫経営が祟って倒産した後の零細企業の事務所に見えるとしても、今のところそれは見かけにしか過ぎないので、29日(木)・30日(金)にお越しの際は、通常営業をしておりますから、どうぞお気軽にお入りください。
 仮に本当に夜逃げだとして、いったい何処へ逃げようというのか。結局、自分という檻から自由にならない限りは、それは暗い夜の中をさまよう果てなき逃走でしかない・・。そんな意味不明のナレーションを独りつぶやきながら、蕎麦猪口をひっくり返したり、曲げわっぱを転がしたりしているのですが、まあ捗らないことおびただしいですね。なんだか前回の点店準備の時も同じ思いに苛まれた気がしますが、ほとんど何も進歩していないわけです。
 人間なんて、科学だけは発達して生活の利便性は向上したけど、その本質は縄文の頃から変わっていないのではないかと思ってしまいます。この際だから、縄文人が現代にタイムスリップしてきたら、ちょっと手伝ってほしいものです。そしたらテーブルの上の石器や土器片を見て、「ていうか、これウチらが使ってたやつじゃね?」みたいなことを言うでしょうか。それならこちらも「はい、今回は是非それで儲けさせていただきます」ぐらいのお愛想は言った方がいいかもしれません。
 そんな妄想ばかりが脳内を駆け巡るせいで、まったく手が進みません。それでも11月1日には素敵に仕上がっているはずなので、皆さま、万障お繰り合わせのうえ、『点店2』にどうぞお運びくださいませ。


 WEB行商 2015 Autumn/Winterです。いつも座辺に置いておきたい。できればいつも一緒にいたい。ただ、あまり持ち歩いていると潰れてしまう。そんな儚く切ない商品です。



『赤べこ』
昭和 会津 体長7.5×高さ4センチ

「土と兵隊」の映画監督
田坂具隆旧蔵品とのこと。

大切にされていたようで、ほぼ
無傷です。首もよく動きます。



SOLD OUT








 

2015年10月19日月曜日

牧歌メロン

21日(水)23日(金)24日(土)は店主不在ですが
店番がおりますので、ぜひご来店のほど。

31日(土)は中央区古道具イベント『点店2』搬入のため
お休みをいただきます。


 人間が想像できることは、人間が必ず実現できる-----ジュール・ヴェルヌ

 それなら、骨董市で財を成して凱旋帰宅するという想像が実現しないのはなぜでしょうか。思いの強さが足りないのか、単なる妄想では結実しないのか。そんなふうに、世界内存在としての人間の不可解さに思いを馳せる、昨日の大江戸骨董市の秋空の下でした。しかし売上げの多少にかかわらずパフェを食べて帰ることを想像していたら、それは実現しました。
 次回の大江戸骨董市出店は、11月はお休みをいただき、12月6日(日)です。想像が実現するほどの品物を蒐めて臨むつもりです。という想像をしているところです。よろしくお願い致します。

 
浅草フルーツパーラーゴトー
「静岡産マスクメロンのパフェ」1,230円
アイスクリームはバニラとメロンの自家製

 パフェをもりもり喰ったあとは、呼ぶとこっちにやって来て触らせてくれる率100%の猫に会いに隅田川沿いの広場へ。その日もいつもの場所にいて、呼んだらのっそりと近づいて、おでこをゴチっと足元にぶつけてきました。YouTubeで仕込んだ世界の指圧師KENのマッサージを施したら、おとなしく受けてくれました。そんな牧歌的で代わり映えのしなさすぎる日々も過ぎ行き、もうそろそろ年末ですが、今週もどうぞよろしくお願い致します。


 WEB行商〜’15秋〜のコーナーです。本日は魅惑のキッチンアイテム、台所や食卓の風景に奥行きを生む一品です。


『古瀬戸のおろし皿』
14世紀頃
直径15.7センチ(口部分含まず)    
底部径14.3センチ、高さ3.3センチ

粘土柱から撚り糸で切り離した跡。
真ん中に走る窯キズを樹脂で埋めてあります。 

実用本位の形。
当時は大根や生姜なんかをおろしていた 
 そうですが、いま使うならば無理に何かを 
おろさなくてもいいですね。      
酒肴になりそうなものを少なめに盛ると 
  かっこいいでしょうか。          
書棚とおろし皿。
口縁に一箇所欠け。

sold










2015年10月17日土曜日

蜘蛛か繭

18日(日)は東京国際フォーラム大江戸骨董市出店。
21日(水)23日(金)24日(土)は店主不在ですが店番がおりますので、ぜひご来店のほど。
31日(土)は中央区古道具イベント『点店2』搬入のためお休みをいただきます。


 やらなければならないことが山積みの時に限って、ふだんしない場所の掃除を始めてみたり、ガラスの仮面を1巻から読みなおしたり、アンゲロプロスの「旅芸人の記録」のDVDをノンストップで観てしまったりするものです。そうした行為のことを心理学ではセルフハンディキャッピングと呼ぶそうです。物事の進行に齟齬を来す行為を敢えて行なうことで、失敗した時の予防線になる原因を作っておこうという心理だとのこと。
 当店に当て嵌めてみると、これからイベントがいくつか控えていますから、本来ならば販売促進や仕入に勤しむべきところを、どういうわけかヒルベルトの23の問題を解いてみたり、ヘーゲルの精神現象学を原書で読み始めてしまうのです。というのはもちろんウソで、ただ延々と夢とうつつの挟間でぼんやりとしているだけです。
 そんな時は気分転換にかぎる、ということで、森岡書店銀座店にお邪魔してきました。すると何やら店内がえらいことになっていましたよ。


瀟洒な店内に蜘蛛の糸が巣食っています。

天井まで覆い尽くしています。


床も枯葉だらけ。店主が掃除を怠ったの 
でしょうか。             

もはや店主の居場所も無いほどアナーキーに 
錯綜する糸。               


25日(日)まで開催中の         
花代『かげろうのように』発売記念展示。
実際のイメージは繭だそうです。    

 変容した空間の中に、割と平然とした佇まいでいる森岡さんもインスタレーションの一部と化しています。必見の展示です。

 貴方の心の側まで駆けつけるWEB行商のコーナーです。やや胡散臭いキャッチで恐縮ですが、本日も暮らしを彩る必需品のご紹介です。


『円筒埴輪』の残欠です。

      打ち捨てられた廃墟のよう。     
突帯の形や穿たれた穴から見るに、5世紀後半  
以降のものでしょうか。円筒埴輪としては時代が 
下りますが、大きな欠損がかえって古代の    
造形力を際立たせているように思えます。    

最も高いところが37.5センチ、     
低いところが15センチ。        
底部直径14センチ、上部直径17.3センチ。
穴の直径5センチ。            





sold


 



 

2015年10月15日木曜日

点店を転々と・・・

10月の予定。15日現在確定しているものです。
    16日(金)甘夏書店『お座敷ブックマルシェ』搬入のため15時開店
 18日(日)東京国際フォーラム大江戸骨董市出店
 21日(水)23日(金)24日(土)は店主不在ですが店番がおります。
    31日(土)中央区古道具イベント『点店2』搬入のため休み


 秋・・小売業者たる者、イベントに関わらずして如何に生きていくつもりなのか!そんな有無を言わせぬ圧力に爽やかに屈して、当店もこれから年末に向けていくつかの催し事に勤しみます。前回のブログと重複しますが、少しばかり詳細を。
 まずは、墨田区向島三丁目の一軒家カフェikkA(いっか)2Fにある甘夏書店さんが主催する『お座敷ブックマルシェ』に出品。詩歌やデザインの本をちょっと、小さな古物を少しばかり並べる予定です。第一書房の萩原朔太郎詩集の極美本とか糸魚川産の翡翠の勾玉などを持っていければいいのですが、いかんせん無いものを並べることはできないので、現在手元にある中で楽しめそうなものを選んで臨みます。「お座敷」の名の通りお座敷なので、畳の間でゆっくり且つぼんやりと買い物をお楽しみください。当店からは都営浅草線宝町駅から一本、押上駅で降りて徒歩7分45秒ぐらいでしょうか。10/16(金)〜11/1(日)まで開催。どうぞお運びください。
 11/1(日)〜11/8(日)は中央区の古道具屋4箇所7店舗を繋ぐ『点店2』が開催されます。更に江東区の古道具屋1箇所2店舗に便乗していただくことで(『・・・ in 江東区』)、計5箇所9店舗を抜けるような秋空の下、歩いて廻るという素敵な企画が実現しました。てくてく歩いているうちに、なんだか知らないけど楽しくなってくるイベントだと思います。各所イベントが重なりますが、お手元の予算をこちら用にもキープしておいていただけたら幸いです。

 WEB行商のコーナーです。と言っても、いま唐突に思いつきました。パソコンの前に居座ったまままで行商もないものですが、気持ちだけはいつだって遥か彼方まで飛んでいきたいということでしょうか。どうぞよろしくお願い致します。

暮らしを彩る本日の一品はこれ。
『焼却炉の扉』です。
どう彩ったものか、難易度はやや高めですが、
捨て難い鉄味はどうにかなりそうな予感がします。

裏面 


45×50センチ 厚さ1ミリ

もう一品
『三つ目錐』
武器ではなく大工道具です。
醤油樽の栓の穴を開けるものでしょう。



常時携帯したい誘惑に駆られる木味と鉄味の
良さですが、外出時に職務質問を受けた時の
  ことを考えるとお薦めはできません。    
長さ59.2センチ      


盾と矛のようなおもむき。

『焼却炉の扉』SOLD OUT
『三つ目錐』SOLD OUT 


 
 

 
 
 

 

 

2015年10月6日火曜日

昨日もそう思った

10日(土)は仕入に廻ります。開店は15時頃になってしまいそうです。
なにとぞご了承くださいませ。

11日(日)は勝負運向上と縁結びにご利益のある富岡八幡宮の骨董市に
出店いたします。お運びをお待ちしております。


 国慶節で日本に買い物目的でやって来る中国人観光客のお蔭で、各骨董市もにわか景気に沸くのではないかと、皮算用だけで金持ちになった気分でいた古物商は、惨憺たる結果に泣きの涙で日々を暮らし、その涙が八丁もの長いお堀となって、以来その地は八丁堀と呼ばれるようになったんだとさ(市原悦子風に)。と、適当な日本昔ばなしをでっち上げずにはいられないほどの成績だった先日の大江戸骨董市。しかしもう一喜一憂も疲れたので、ここはひとつ20年ぐらいの長いスパンで事の推移を見ていこうではないか、と現実逃避とも思える長期計画を無理やり策定。といっても、20年後は割といい暮らしができるようになっている、みたいな大雑把なビジョンのみですが。
 ひとまず年内の月次対策は、10月16日(金)〜11月1日(日)に押上の甘夏書店さん主催の『お座敷ブックマルシェ』に参加。当店は在店が難しいので、委託での参加になってしまいそうですが、平日どこかで顔を出したく思っております。書肆を名乗っているくせに、古本のイベントには初参加です。続けて11月1日(日)〜8日(日)は東京都中央区古道具イベント『点店2』が開催されます。2ということは1もあったのですが、続編はたいていつまらないというジンクスに負けぬように、各店毎度のことながら泣きながら仕入に邁進中です。12月も後半にひとつイベントを画策中です。詳細は後日。
 こうして書き連ねると、それなりにスケジュールが埋まっているように思えますが、これはいたずらにただ時を過ごさぬために計画だらけの手帳を示すというエレファントカシマシ的世界の現れでしょうか。ともあれ、明日の千客万来を信じて品物をちょっと並び替えてから帰宅します。今週もどうぞよろしくお願い致します。


 

店内風景
何か気になる物が写り込んでいたらお問い合せください。