ページ

2014年5月14日水曜日

裸で行かざるを得ない

 店を開いて早いもので2週間。多くの方々のご愛顧を得て、ここまでくることができました。今後とも一層の精進を重ねてまいりますので、なにとぞご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。そんな不遜な発言さえ飛び出しかねない今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
 縁あって始めた商売ですから、この先あと50年ぐらいは続けたいものだとしみじみ思うのですが、新古を問わず本に携わる業界の冷え込みようは歯止めがきかないようです。問題点はしかるべき箇所からしかるべき指摘がなされていますので、ここであれこれ言うのは差し控えます。というか、単に事情がよく分かってないから何も言えないだけなのですが・・。
 とにかくみんな、紙面になんらかの情報が印刷されて綴じられた一般的に「本」と呼び習わされているあの形態に飽きちゃったということなんでしょうか。いや、あの紙の手触りや匂いがいいんだとか、本の佇まいは電子では再現できないよとか言われたりもしますが、何かが失われていく時は、もうそういうノスタルジーやフェティシズムによっては防ぎきれないのだと思います。
 と言いながら、自分が始めた商売はそういう郷愁や物神崇拝をあらかじめ当て込んでいるのですから、いずれどん詰まりになる宿命を背負っているわけです。でもそれはそれでとても楽しいことなのではないでしょうか。皆さまのご来店をお待ちしております。

ブリキの小箱
52×76×30ミリ
潔いただの箱。いわば裸の形です。
SOLD OUT

0 件のコメント:

コメントを投稿