昨日に引き続き、プラグマタで開催中の「GRAFFITI グラフィティ 杉田明彦(漆)松岡学(日本画)」展の話を。テクスチャーなどという言葉を美大出身でもないくせに知った風に使いましたが、ものの質感・触感などの表面の効果を総じて含んで言い表したいときには、ずいぶん便利な言葉のようです。
杉田明彦さんの作るものは、一般的な漆器のなるべくニュートラルであろうとする質感に逆らったテクスチャーを持っています。だからと言って、変にざらざら、ごつごつしているわけではなく、むしろしっとりとして手に吸い付くような手触りさえあります。杉田さんの漆器のテクスチャーが一見して普通と違って見えるのは、インダスや弥生の土器、室町の鉄鉢の形を漆器で再現してみたいという杉田さんの造形感覚の必要に応じた結果なのかもしれません。手元に置いて使いたいものばかりです。とにかく現物を見ないとはじまらないので、5/18(日)までの期間中にプラグマタに足を運んでみてください。そしてできましたら、そのあとで当店、書肆逆光にもお越しください。
松岡学さんの絵は、日本画という範疇からかなりはみ出しているように見えますが、作成方法をうかがうと、自分にはよく分からないながらも、どうやらそれは日本画の伝統に則っているようでもあります。支持体になる板に銀箔をのせてから岩絵具や質感を方向づける画材で描いていくと言うのですが、描くというよりは削り出すと言いたい物質感にあふれています。題材は必ず具象ですが、見え方は抽象ぎりぎりのラインです。松岡さんの作品も現物で見てください。そしてしつこくて恐縮ですが、当店へもついでにお立ち寄りくださいますようお願い申し上げます。
黒漆の猪口 口径7.8〜8.1センチ 高さ5.5センチ 高台直径4.5センチ 江戸後期 口まわりに数カ所あたりキズ SOLD OUT |
緑釉のタイル 11.5×11.3センチ 厚さ2センチ オランダ17世紀 7,500円 |
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