実際はビルを建てるどころか、家賃滞納で店の入っているビルからいつ追い立てを喰らうかという危機感を常に抱きながらの毎日です。素晴らしき自転車操業。宵越しの銭を持たないにも程があるといった感じでしょうか。そんなヒリヒリとした日常から逃避するかのような空の下の行商だったのですが、古物を目当てにこれだけ多くの人が行き来するのを見ると、日頃ウチの店にも少し足を運んでくれたっていいんじゃない?と重過ぎる疑問符を背負いながらの骨董市。イベント化するとそれなりの集客を期待できるのに、店舗単独では話にならないという状況は、決して当店だけの問題ではありません。ベテラン業者からも、店はもはや倉庫にして行商で日銭を稼いでいるのだという声を聞きます。何かが確実に崩壊しているわけですが、その代わりに何が生まれつつあるのでしょうか。明敏な頭脳も野生の勘も持ち合わせていない自分にはそれが何かはよく分らず、ただぼんやりと移動販売のカレーをもりもり食べるのみです。
次回の開催は11月16日(日)です。当店も参加いたしますので、どうぞよろしくお願い致します。
『つゆのあとさき』 永井荷風 中央公論社 1931年12月16日15版 函 天金 2,000円 |
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