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2018年12月13日木曜日

漆ならびに膝

 今年の世相を漢字一文字で表すと、というイベントが公益財団法人日本漢字能力検定協会の主催で毎年開かれています。公募で集まったうちの最多応募数の漢字を、清水寺貫主の森清範師が手ずから、舞台に設えられたやたらと大きな和紙に揮毫している姿がテレビに映るのがこの時期です。自分なんかは、この報せを聞かないと師走になった気がしないものです。などということはまったくないどころか、一体どういうニーズに支えられてこの種のキャンペーンが、それなりに長く続いているのだろうかと、少しばかり頭を悩ませたりもするのです。そうして物思いに耽った後に頭を上げ外に目をやると、冬の低い光が雀や鳩や犬の糞を照らしているのが視界に入り、ああ、師走がやって来たんだなと実感します。 
 さて、では当店にとっての今年の漢字は何か。と、特に誰も知りたいとは思えないことに考えを巡らせると、「夜」とか「逃」とか「消」とか「失」といった漢字は幸いにして浮かんできません。それじゃ何だろうと考えてみるも、これといって思い浮かばず。それで今年のブログを見直してみたら、結構な大事件として「ゆで太郎八丁堀店」と「中華シブヤ」の閉店がありました。当店に起きたことではありませんが・・。その時の膝から崩れ落ちるような喪失感、涙を流すことさえ許さないような衝撃の記憶から、当店の今年の漢字は「膝」に決定しました。

 そして年末25日(火)からはOubai『漆・蒔絵展』です。血反吐を吐きながら集めた漆器どもの咆哮を聞け!とOubai工藤さんも息巻いて止まない渾身の企画です。幕末・明治・大正・昭和初期・・このあたりの漆器の展示販売というのは、ありそうでなかったと思います。逆光もOubaiさんの品物に合いそうな古漆器や焼き物や民具なんかを並べます。併せてご覧いただければ幸いです。
 26日(水)は18時半からトークイベントを入れております。『民藝のインティマシー 「いとおしさ」をデザインする』や『<民藝>のレッスン つたなさの技法』の鞍田崇さんとOubai工藤さんの漆と民藝のあれこれを巡る爆裂トーク。参加費1,500円。お酒、飲み物、つまみ等をご用意しておきますので、ガツガツと飲み食いしながらバンバン二人に突っ込んでください。席はまだございます。ご予約は逆光の方でまとめてお受けしているので、どうぞ奮ってご参加を。お名前・お電話番号明記の上、gyakko3@gmail.comまでお願い致します。→満席となりました。ありがとうございます。
 暖冬の予想だった割にしっかりと寒い今日この頃、皆さま何卒ご自愛のほど。そして元気な足取りでのお越しをお待ちしております。











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