油断していたら定員満数になってしまいました。
そこで書肆逆光店舗にて『あぶれ者たちの骨董市』を開催いたします。
15(日)の大江戸骨董市にあぶれてしまった業者で出店希望の方がいらしたら、
メールでご連絡ください。
6/9(木)〜12(日) 中央区銀河英雄伝説『点店』の三回目が開催されます。
皆さまのお運びをお待ちしております。
サンパウロ育ちのマイク・クリーガーがソフトウェア開発を担当した
インスタグラムに店舗の商品を少しずつアップしています。
あわせてご覧ください。こちらから→👃
詩人に最も残酷な月と詠われた4月の最終日、日本各地の民俗芸能の情報をネットで発信する「仔鹿ネット」の発表会『仔鹿のまなざし』が当店にて開催されました。第一回目となる今回は青森県八戸市の「えんぶり」について。田畑の地ならしに使う柄振り(えぶり)が名称の由来というだけあって、田楽から派生した五穀豊穣・無病息災を祈る芸能です。現在のえんぶりには、多分に明治近代以降の西洋体育的な動きが加味されているかもしれませんが、それでも所作のところどころに、民族の最古層から響いてくるものが感じられ、怖いようなかっこいいようなものを見た気になります。
今回の映像は、サイトを運営する高橋亜弓さんが、2月に行われたこの祭りの取材のために、数日間現地入りして撮ってきたものです。見るという行為は全てを公平に視界に収めることができないわけで、ということはつまり撮影された画像とは、撮った人間の身体性や生活史の刻印であり、その視線の質的な厚みこそが、イベントタイトルにも使われている「まなざし」と言えるのかもしれません。
30以上あるえんぶり組の中、高橋さんが張り付いたのは八太郎と呼ばれる組です。縁を取り持ったのは、韓国太鼓を学ぶチェ・ジェチョルさんと八戸を拠点に活躍するアートコーディネーターの今川和佳子さん。ジェチョルさんは、八太郎の高橋常男通称たかつねさんが踊る恵比寿舞の素晴らしさに魅せられて、ついに今年のえんぶりに参加してしまった人です。恵比寿舞というのは、大衆芸能として後になってえんぶりにくっついたものだそうで、たいていの組では子供が担当するこの舞を、八太郎組ではたかつねさんが踊ります。型に沿った子供達の踊りとは違って、酸いも甘いも噛み分けたたかつねさんの舞は、登場するや一挙に場の空気をさらいます。まさに民俗芸能界のロバート・ジョンソンと言っても過言ではありません。
映像を見ていると、こうして場面が映っているのは、高橋さんがかつてそこにいたからだ、という当たり前の事実に不意に驚かされます。居合わせた現場の親密な空気を、高橋さんのまなざしは確かに捉えていて、それが仔鹿ネットの映像がありきたりのドキュメンタリーと一線を画す点なのだと思いました。
というわけで、仔鹿ネットの今後の活動になにとぞご注目ください。そして、言祝ぎが大いに振り撒かれた後のめでたい逆光にもぜひお運びください。
たかつねさんへの愛が昂じるあまり、背中に たかつねさんの図像が憑依した仔鹿ネットの 主宰者高橋亜弓さん。 |
ふだん訳の分からないものが並んでいるテーブルには 当日八戸の市場から直送された旨いものどもが犇めき あっています。 |
隅でおそらく塩辛を取り分けていると思われるところの ジェチョルさん。 |
人々。 |
たかつねさん&孫。唐突に実現した舞による 即興セッション。 |
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