お節やお餅に飽きたら八丁堀へ!
海を見なければならないという突然の衝動に駆られて、京浜急行で一本、終点の三崎口まで行ってまいりました。そこからバスに揺られて20分ほどで三浦半島の南端、城ヶ島に着きます。そこの県立公園がいいと聞いてズンズン歩き廻ろうと勇んで来たのですが、勇み足で突端に来過ぎたようです。徒歩で北原白秋の歌碑のある公園入口まで取って返してきました。
旅の始まりは腹ごしらえからということで、軒を連ねる食堂の中から最もレベルの高そうな店を覗き込むと、まだ本格営業を始めていないのか、積み重なるダンボールが場所ふさぎになっているその隙間で、おばあちゃんが焼きうどんを食べていました。目が合うと中に入るよう促されました。ぜひにと言われて無碍にもできないので、恐る恐る席に着いて店内を見回すと、座敷などもあり実際は割と広いように思えました。ただ、導線を椅子や什器がふさいでいたり、本来は客席であろうスペースが荷物や週刊少年ジャンプで埋まっていたりと、空間のコーディネートが見たことないほど斬新です。二人座ったら満席になってしまいました。
バスの終点から来た道を戻る途中。 海のある街に来た実感が湧きます。 |
マレビトさんが買ってくれそうなものを 探してみましたが断念。 |
昔のデザインのファンタ缶が落ちて ましたよ。 |
おばあちゃんが一人で営む食堂。 |
オロナミンCの保冷庫に布類が格納 されています。上代裂が隠されていたり しないでしょうか。 |
年季の入ったサンプルケース。 |
メニューの数から察するに、 通常営業ではもっと従業員がいる ように思えます。 |
チャーハンを注文。ちくわが入っていました。 450円。安過ぎます。 |
つげ義春的な衝撃に包まれながら会計を済ませると、おばあちゃんは売り物の水仙の花束をくれました。暖簾がなぜか店内に掛かっていて、荷物の陰になって屋号は分からずじまいでした。この時点で旅の醍醐味を味わい尽くした感はありますが、気を取り直して公園に向かいました。ついさっきまで晴れていた空に大きな雲がかかって、薄暗くなってしまいました。海の街に来てまでチャーハンなど食べたからでしょうか。
公園は整備された遊歩道をぐるりと一周りするぐらいだと思っていたら、途中からいやに野趣に富んだところを歩いていました。
インデペンデンス・デイ的な雲。 |
灯台。わーいと駆け寄ろうとするも 波が強くて腰が引けました。 |
けっこうな荒波。 |
いい顔の猫発見。触らせてはくれず。 |
不条理演劇の舞台のような休憩場所。 |
ウミウが越冬する断崖。岩肌が白いのは 糞によるもの。枯れ草の薄茶との グラデーションがおいしそうに見えます。 |
てくてく歩く。 |
波と風雨による浸食でできた 馬の背洞門。 |
ここで行商してみたいものです。 |
寒くはありませんでしたが、海からの強風に煽られながら歩き廻ったので疲れました。枯れ草に覆われた道を当てずっぽうに歩いていたら、始めに来たバスの終点に降りてきていました。糖分を補うために食堂でソフトクリームを摂取。結局三浦に来て海の幸を一切堪能することなく終わりました。帰りの電車では、もう二度と目が覚めないのではと思われるほど寝てしまい、起きたらいつもの高低差のない下町でした。
おばあちゃんからもらった水仙。 |
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