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2015年5月5日火曜日

まだ誰も知らない経済

 いったいみんなどこへ行ってしまったのか。ふだんは喧噪渦巻く世界経済の発信地として、躍如たる面目を伝えている八丁堀のこの地も、今はまるで復活の日のラストシーンのように、人々はその姿を消し、眼前には荒漠たる光景だけが広がっている・・。
 とはいえ、昭和通りの新京橋交差点から西方向、中央通りに出たときの凄まじい人出を見れば、決して地球上から人類がいなくなったわけではないことが分かります。集まるところには集まり、そうでないところは徹底して過疎化するという、ゴールデンウィークの残酷な現象が如実に現れたわけです。銀座・日本橋方面にお出かけで、人の波に酔ってしまった場合には、どうぞ閑静な八丁堀へとお運びいただきひと息ついてください。
 
 さて、今日5月5日が「わかめの日」であることは誰もが知るところですが、歴史に刻印された出来事として真に記憶すべきは、本日、森岡書店銀座店がオープンしたことでしょう。株式会社として法人登記し、今や代表取締役社長となった森岡さんの代表作「荒野の古本屋」を読まれた方は、氏の茅場町店の運営における様々な苦労をご存知のはず。のしかかる借地借家料や綱渡りのキャッシュフローなど、ひとごとではないのですが、諸々の困難を克服して、二店舗目をそれも銀座に出すなどという荒技は、日本の経営者たちを瞠目させずにはおかないでしょう。その銀座店の運営の核は「一冊の本を売る書店」。ビジネスモデルとか利益構造といった概念を蹴散らす力強いコンセプト。資本主義の次のシステムの到来さえも予感させます。いまだ誰も気付いていない新しい経済の萌芽。その仄かな光が、どうか八丁堀まで届きますように。







5/5(火)〜5/17(日) 「PUNK」沖潤子展
                          13:00〜20:00 森岡書店銀座店                    
                   中央区銀座1-28-15 鈴木ビル1F                                   

ここから書肆逆光までは徒歩6分40秒ぐらい。
 お運びください。             

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