ある詩の話では
毛を一本手のひらに落してみたといふのです
そして
手のひらの感想をたたいてみたら
手のひらはしらないふりをしてゐたと云ふのですと
-----------------尾形亀之助
28日(土)に『詩について・対話篇』の第二回が当店にて開催されました。いずれ世を動かす俊英たちが集う、さながらマラルメの火曜会のごとき会合です。ただし店主は前回と同じく、端っこで菓子をぼりぼり食べているだけの存在ですので、残念ながら俊英と呼ばれ得る立場にはありません。
この手のイベントは始めの勢いこそ良くても、徐々に初期衝動が薄らいできて、二回目以降は永久に開催されなかったりするものですが、主宰の古溝さんの素晴らしい采配により、当初の目標である隔月開催がきっちりと実現しました。参加人数こそ減りましたが、今回初お目見えの方が三人もいました。うち一人は当店のお客様で、イベント告知を見て興味を持っての参加表明。てっきり見学のみかと思いきや、なんと詩を一篇書き上げてきました。ほとんど初めてという詩作で歴戦の猛者たちから批評を受けようとする、まるで宮崎アニメの主人公が持つような真っすぐな勇気に心打たれました。
それにしても詩に限らず、写真、陶芸、絵画、彫刻、音楽、ダンス、かっぽれなど、何かを表現しようという人は、この世にずいぶんたくさんいるものです。当店がそうした人たちにとっての、シティ・ライツ・ブックスと談話室滝沢の中間のような存在となることができれば、それは望外の喜びです。
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