なにとぞご了承くださいませ。
日曜日の大江戸骨董市でのこと。朝、荷解きをして陳列の準備をしていると、風に吹かれて一枚の紙片が足下に飛ばされてきました。一見して、優良銘柄の株券や土地の権利書でないことは明らかで、ましてや日本銀行券であろうはずがなく、そのまま捨て置こうかと思ったのですが、ゴミの放置を見咎められて出入り禁止になっても困るので、その紙切れを拾って広げてみると、それはこんなものでした。
週刊漫画アクションに掲載されたつげ義春の漫画のページです。掛軸を拾った浪人のエピソードを描いた「不思議な絵」という短編ですね。初出は東考社のホームラン文庫かなにかのはずで、これはもちろん再掲でしょう。それにしても、こうして飛んでくるのが鳥山明や尾田栄一郎ではなくて、つげ義春の漫画であることに、何かしら当店の行く末を暗示する宿命論的な意図を感ぜざるを得ません。
よく見れば八丁堀の地名も出てきますし、当店との関わりは深まるばかり。古物の商いなどというのは、決して長者番付に載るような仕事ではないことを遠回しに知らしめるために誰かが仕組んだのでしょうか。なんであれ、つげ義春的なのは素敵なことですから、悦ばしいかぎりです。
こんなことを言っては、たいていうまくいかずに 終わっています。 |
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