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2017年4月12日水曜日

近くの太鼓

 8(土)に開催されたイベント『仔鹿のまなざし 八戸えんぶり(八太郎えんぶり組)編-2-』はお蔭さまで大盛況でした。主催、出演、お手伝い、ご参加いただいた皆さまに心よりの感謝を申し上げます。
 主催・主宰は、日本各地の民俗芸能をWebで発信している仔鹿ネット。なにやらブルバキのような気鋭の集団を思わせますが、所属は高橋亜弓さん一人、他に活計を得ながら時間を作って方々を廻っています。研究者でもなく、支援を受けて取材しているわけでもない、言わば好きが昂じての行為ですが、それゆえなのか、彼女が撮ってくる映像はとても爽やかというか健やかに見えます。話を聞けば、その都度我が身を使い果たすかのような状況での取材で、蓄積を旨とした拡大再生産には目もくれないようです。清新の気風は、常に効率を度外視したところから生まれるのでしょうか。まさに祝祭のための蕩尽、普遍経済を地で行っています。
 有用の観点からすれば、芸能というのはなくてもよさそうなものなのに、その実それ無しでは生きていけないぐらいに人の営みに密着しています。古物の商いもちょっと似たところがあるでしょうか。今回はなんと、韓国農楽研究の神野知恵さんと韓国太鼓奏者のチェ ジェチョルさんと亜弓さんによる予祝の芸によって、当店を門付してもらいました!祝福の気韻を帯びた言霊が、今でも小さな店内を漂っています。言祝ぎの空気を浴びにぜひいらしてください。


こちらは八戸えんぶりではなく、えんぶりに先駆けて取材して
きたという韓国の旧正月の祭礼、高敞(コチャン)農楽。
寂寥とした雪景色の中をカラフルな衣装を着て、鳴りものを
打ち鳴らしながら、遠浅の海に向かっていく様は、まさに
アンゲロプロスの世界。アジア版旅芸人の記録。

今回は茣蓙を敷いての開催。祝祭の匂いをもたらす三人。

八戸の酒とあて。



奉納シーン。


勇壮でかっこいい摺り。

 
えんぶりの太夫がかぶる烏帽子と寸分違わぬ作り方で
作られたミニチュア烏帽子。欲しいですね。


先の韓国での一枚。見ているだけで寒くなります。
雪の白と衣装の彩りの対比が美しいのです。


三人による予祝芸。茣蓙が集落の寄り合い感を濃厚に
醸し出しています。



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