能うかぎりの楽しい品を並べますので、どうぞお運びくださいませ。
先日の土曜日に『詩について・対話篇』という、八丁堀の路地がにわかにサンフランシスコの坂道に見えてくるような、かっこいいタイトルのイベントが当店にて開催されました。詩人が各々書いた詩を持ち寄って、それをダシにあれこれと言葉を交わし合う集まりです。詩人の古溝真一郎さんが主宰ですが、決して仲間内だけの集まりというわけではないので、詩を書いたことはないけど興味はある方、実作してるけど見せる相手がいないという方は、どうぞお気軽にご参加ください。すでに開催は4回を数え、一応当店が存続する限りは続けていきたいと考えています。だとすると次回開催は怪しそうだと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、それに関しては今のところまだ大丈夫です、としか答えようがありません。
詩人が詩句を選ぶように本や物を集めてみたい、と当店も思うのですが、古物業者は先行投資として品物を購入しなければなりません。並べた物が一篇の詩のような効果を発揮してくれるかどうかは、店主の裁量にかかっているわけですが、どうしても投資に見合うもの(現金)を回収しなければならない宿命があるので、流通しやすい耳触りのよい言葉のような物を並べてしまいがちです。強度に満ちた詩句のような品揃えをしてみたいものです。
という夢想に浸りながら、翌日曜日は乃木神社の蚤の市に出店。朝方のそぼ降る雨も止んで、天気の神様は味方してくれたようですが、富を司る神々に果たして振り向いてもらえたかとなると、微妙と言わざるを得ませんでした。とはいえ、詩のような物を並べるところから一点仕入ができたので、良しとします。今週もどうぞよろしくお願い致します。
『旗手クリストフ・リルケの愛と死の歌』ライネル・マリア・リルケ 鹽谷太郎訳 照森社 1941年4月30日初版 見返しシミ 『若きパルク』ポオル・ヴァレリイ 菱山修三訳 青磁社 1942年4月15日初版 函 『海を瞶めて』ポオル・ヴァレリイ 菱山修三訳 青磁社 1942年1月20日初版 函 『マルドロールの歌』ロートレアモン 栗田勇訳 現代思潮社 1969年8月10日2刷 函 水鳥の温度計 |
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