文月最初の日曜日、有楽町の東京国際フォーラムまで行商に出掛けてまいりました。蒸し暑いなかをたくさんの方にお運びお買い上げいただきました。どうもありがとうございます。仕入れた物が動くのを目の当たりにすると、生き延びる資格を与えられたように思えるのが、この生業。ですから、万感の思いを込めて買った物が手にすら取られない時の索漠たる気持ちも推して知るべしです。上気したり青ざめたり、店主の顔面ウォッチングもまた骨董市の醍醐味かもしれません。などと書いていられるうちは、まだ大丈夫だと思いたいものです。
というわけで、己を鼓舞するために数ヶ月ぶりの浅草フルーツパーラーゴトー詣でへ。この時期であれば、やはり宮崎産の完熟マンゴーパフェを頼むのが、自分自身への福利厚生として正しい選択だと無理やり思い込みました。あの「太陽のタマゴ」も出ていましたが、3,000円(税込)の値段にはさすがに腰が引けて、1,980円(税込)の方をチョイス。それだって、仄かに甘い罪の意識に苛まれそうな価格ですが。この値段じゃ気の利いた端皿の一枚も買えないのだから、それを思えばべつにどうってことない。とかなんとかブツブツ言いながらパフェを食べてる人物は、まず古物商でしょう。職質にかけたら、古物商許可証が出てくるはずです。とにかく、大地の善きエナジーを凝縮したような果実は、一度は食べなくてはならないものだと思います。マンゴーはそろそろ終わり、間もなく桃が始まる頃です。
さて、文月です。諸説あるようですが、短冊に詩歌をしたためて、書道の上達を祈ったのがその名の由来だそうです。文字や言葉に縁のある月に、詩誌「カナリス」の最新第5号が入荷しました。主宰のひとり、詩人の藤原安紀子さんが手ずから持って来てくださいました。税込1,080円。逆光にて発売中です。
では、今週・今月もどうぞよろしくお願い致します。
宮崎産完熟マンゴーのパフェ マンゴーの栽培は古く紀元前のインドまで遡り、 仏教では聖なる樹とされているそうです。 |
6月のある日の店内風景です。 |
カナリス五号 言葉のエッジが際立つスクエアの判型。 |
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