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2015年8月27日木曜日

いい旅悪夢気分

28日(金)は仕入のため14時からの開店です。
29日(土)はイベント「書物と音と旅を page.3」開催のため17時までの営業です。
なにとぞご了承くださいませ。


 骨董の方の仕事で先輩からお誘いをいただき、滋賀県まで行っておりました。交通費もなかなか大きな負担となって店舗運営を圧迫しますから、本来ならば徒歩で行きたかったのですが、諸々の事情を鑑みて高速バスを使うことにしました。出発地は真夜中の秋葉原。昼間の喧噪と欲望渦巻く様相とは打って変わって、歩いているのは脛に傷持っていそうな風体の輩たちばかり。みんな古物業者でしょうか・・(偏見)。
 高速バスは以前に名古屋に行った時に、一睡もできずにその後の行動に大きな負担を蒙ったトラウマから、できれば避けたかったのですが、セスナをチャーターできる身分でもないし、仕方なしの採用となったわけです。断固として眠らなければならないと思うと却って寝られないものですが、結局、断固として眠るぞと決意する夢を見ながら寝ていたようです。
 あまり寝覚めのよくない状態で京都駅八条口に到着。あとで同業のIさんに車で拾ってもらう手筈になっていて、なにやら体調もよろしくないし、こんな時は駅ナカの喫茶店で時間までぼんやりしておくべきなのですが、どういうわけか「京都の朝はイノダから」というキャッチコピーが頭を離れず、地下鉄で烏丸御池まで出て、イノダコーヒ本店に朝食を食べに行ってしまいました。とはいえ、体調不良でモーニングの「京の朝食セット」などはとても食べる気になれず、ロールパンとコーヒーなどを注文する体たらく。それなら別にイノダでなくても・・とは思いましたが、給仕してくれた青年の口上が、おそろしく棒読みなのが楽しかったので良しとします。映画監督のジャン・ルノワールは、台本の読み合せの時に、相手女優に徹底的に感情を排して台詞を読ませることで、紋切型に陥らない独自の演技表現に到達させようとしたと言います。この青年も誰に教わるわけでもなく、そのメソッドを実践しているのかもしれません。山谷のバッハだったら絶対に通用しないと思われる接客術を、彼はいつの日か自家薬籠中の物とすることができるのでしょうか。
 さて、京都駅に戻りピックアップしていただき、滋賀大津方面へ。不思議なことに芳しくなかった体調が、住所が坂本に変わるあたりから、何かしら「善きもの」が体内に漲る感じがしてきて復調してきました。車を降りて彼方を見れば、雲と青空と琵琶湖が。きっと古代の人たちも感じた、いかにも豊かな土地の気韻が自分の体を通過していったのかもしれません。
 そしてこのブログを書いている現在は、またも体調は元通り悪化。次回に続きます。



「イノダコーヒ本店」
平日にもかかわらず、開店時間7時を
        過ぎるや、すぐに満席。              

ロールパンにエビフライを挟むという。

手当たり次第撮ってたので、もはやどこだか
  分からなくなってますが・・         
「本家鶴喜そば」でしょう。        

坂本の街並。

















 

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