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2014年7月8日火曜日

伯剌西爾と独逸

7/10(木)は仕入のため14時頃の開店です。
7/11(金)も仕入です。13時頃に開店できると思います。
楽しい本、紙類を見つけてきます。なにとぞご了承のほど。

 ブラジル連邦共和国が苦境に立たされています。ネイマールが負傷離脱、チアゴシウバが累積欠場。エースとキャプテンを欠くというのは、古本と古道具を商う当店に当て嵌めれば、古本と古道具なしで商売をしろと言われているようなものでしょうか。売り物がない物件の片隅に店主と思しき人物がぽつんと一人。なにもない店から梅雨空を見上げた。種田山頭火というよりは河東碧梧桐的な自由律俳句のような独り言を漏らさずにはいられない状況・・。
 しかし場末の古物業者と王国ではやはり比較のしようもなく、ブラジルの選手層の厚さには計り知れないものがあるようです。主力を2人欠いてもなお盤石のドイツに対抗しうる作戦を構築できるだけの度量。見習いたい、が、どうやって・・。そんなときは「買い」に走ること。「買い」が仕事と言われる業界ですので、なんだかよく分からないときは、とりあえず仕入に行ってみます。すばらしい打開策に出会えるといいのですが。




『THE WORK OF OSCAR NIEMEYER』
著:STAMO PAPADAKI 版元:REINHOLD
   1950年初版 英文 カバー少痛       
ブラジルの国民的建築家オスカー・ニーマイヤーの仕事
5,000円








『Neue deutsche Architektur 2』
文/編集:Ulrich Conrads/Werner Marschall
 1962年 独文 カバー少痛 蔵書印  
 ドイツ建築の新しい潮流             
1,400円


2014年7月5日土曜日

金銀砂子

 東京古書組合主催の明治古典会七夕古書大入札会の下見に行ってまいりました。と書くと、さぞ落札の意志満々なのかと思われそうですが、見に行っただけです。クロークに手荷物を預ければ、古書マニア、ひやかしの一見、零細業者、思春期の中学生、兵庫県議会議員など、年齢・職業・性別・性格を問わずあらゆる人間の出入りが自由なのです。ことによると、内々に出入禁止のブラックリストが存在しているのかもしれませんが、少なくとも私は入口で止められることはありませんでした。毎金土曜日に即売会を開催している東京古書会館が会場なのですが、ふだん即売で使われる地下は締切って、2〜4階を商品の陳列場所として開放しています。
 各階は古典籍・古文書、文学、美術のジャンルごとに仕分けされて、見やすく展示されています。外に陳列されているものは常識の範囲内で手に取ることができますし、ガラスケース内のものは係の方に申し出れば、出してもらえるようです。さすがに逸品揃いで、視線が散ってなかなか定まりません。しかも美術館と違って、金銭の折り合いがつきさえすれば入手できると思うと、感極まって号泣しそうな気配もあります。
 で、いいなー欲しいなーと思ったのが、ジョイスの詩を左川ちかが訳した『室楽』。椎の木社の瀟洒な装幀が物欲をそそります。最低入札額はたしか8万円だったでしょうか。オークションですから、頑張ってなんとか8万を工面しても、もちろん落札できる保証はありません。これはケースの中にあって、ちょっとパラパラめくってみたかったのですが、「おーい、これを見せてくれたまえ!」と言う勇気もなくモジモジしているうちにタイムアップ。自分の店の開店時間に間に合わなくなります。8万使わずに済んでホッとしたような気持ちになり、資生堂パーラーで豪勢なランチでもしようと思いましたが、なにか勘違いしている気がしたので止めました。



 
『マラルメ詩集』佐藤朔・立仙順朗訳 ほるぷ出版
堀口大學監修 ピエール・カルダン装幀・装画
1983年6月初版 函 天金 限定100部の内099              


装幀のピエール・カルダンの誕生日は
 7月7日。              
2,000円

2014年7月1日火曜日

ハハとババ

7/2(水)・3(木)は私用のためお休みをいただきます。
よろしくお願いいたします。

 地球・・竹宮惠子風に言えばテラ、ニコチャン大王風に言えばチタマ・・。地球規模で見れば、このところの局地的な豪雨などというものは、なにほどのものではないのかもしれません。地球と交信できる人が「晴れてると思わせておいて、いきなり大雨とか降らすのやめてくれる?」と申し立てても、地球にしてみれば「え、なんのこと?自分、なにもしてないんスけど」と思うのではないでしょうか。
 巨大なものの無意識の振る舞いが、小さなものに大きな影響を及ぼす。これは私にあることを思い出させます。その昔、後楽園ホールに全日本プロレスを家族で見に行きました。物販会場で係の人が「いまTシャツを買われた方には、ジャイアント馬場選手がその場でサインをいたしまーす」と大声で呼び込みをしていました。それを母が聞いて「え、馬場どこどこ?ほら、ちょっと馬場がいるってよ!探してごらん!!」と興奮して大きな声で私の袖を引っ張るのですが、当の馬場はキョロキョロしている母の目の前にいたのでした。「やだ、目の前にいたわ!アハハハハ」と笑う母を前に、馬場はあの例の苦笑いを浮かべるのでした。これはジャイアント馬場が大きすぎて、母の視界に入らなかったという話です。あまり関係なかったでしょうか。










明治時代の鉱物のポスター
明治44年2月4日発行
科学系の老舗版元、内田老鶴圃の学校教材用印刷物
縦80,7横55,7センチ
タペストリー式に吊り下げのひもが付いています。
SOLD OUT

2014年6月30日月曜日

顔面ポエジー

7/1(火)は仕入のため、開店は13時からです。
7/2(水)3(木)は私用のためお休みいたします。
なにとぞよろしくお願い申し上げます。

 市場に仕入に出かけると、業者の中にはどう見ても堅気ではない顔をした人を見かけます。別にその筋の人というわけでもないのに、明らかにサラリーマンを勤めあげて出来上がる顔ではない。ちょいワルというのが昔いて、それじゃどれくらいワルいのかといえば、シャブの横流しや人身売買に絡んでるわけでもなく、あの人たちは正当に得た収入で記号的な贅沢を見せつける特にどこもワルくはない人畜無害な人種なのでした。あれは人工的に作り上げた顔なんですね。それに比べて市場に出入りする人たちの顔は、根元敬言うところのいわゆる「いい顔」で、これは一朝一夕では形成され得ないに違いありません。
 40過ぎたら自分の顔に責任を持て、とかなんとか言われますが、本当にあれほどの顔の責任の所在が自分だけに帰するものなのかどうか。あたかも天からの授かり物のようなあれらの顔が。仮にあの系統の顔を100%自分だけで作り上げられるのだとしたら、その人たちは重要無形文化財保持者として国から認定されるべきでしょう。
 皆さんの中には、骨董市に行かれる方もいらっしゃるかと思いますが、どうか「もの」だけに気を取られないで、それを売っている人の「顔」にも目を向けてください。その日、一番いい顔の店主から買ってみる、という縛りを自分に課すのもおもしろいかもしれません。もし偽物をつかまされても、それはもう本物以上に本物なのだと思います。



『セリーヌ』フィリップ・ソレルス
現代思潮新社 2011年6月30日初版
『夜の果ての旅』『なしくずしの死』、一作ごとに
スキャンダルを巻き起こす呪われた作家セリーヌ。
俊英ソレルスもセリーヌのいい顔に憧れているに 
違いありません。               
           1,200円             
  
             

2014年6月28日土曜日

今日の犬

 カンヌ映画祭には優れた演技を見せた犬を表彰するパルム・ドッグという賞が2001年から設けられているそうです。あくまで非公式とのことですが、創設以降は毎年受賞犬が選ばれているので、映画に犬は付きものということでしょうか。
 今年のパルム・ドッグは、コーネル・ムンドルッツォ監督の「White God」に出演した兄弟犬2頭が受賞。そして次席の審査員特別賞には、ジャン=リュック・ゴダールの「グッバイ・トゥ・ランゲージ」に出演のロキシー・ミエヴィルが選ばれました。作品も審査員賞に選ばれたので、犬と監督の2冠受賞です。これはもっと大きく世界に配信されてもいい事件だと思ったのですが、テレビでの報道は見かけませんでした。めざましジャンケンのゲストをゴダールに打診するとか、きょうのわんこにロキシーを出して、レマン湖の湖畔をゴダールと散歩している光景を撮影するといった案件はフジテレビ社内にはあがったのでしょうか。フジテレビの株主ではないので、経営方針に口を出す立場ではありませんが、今なお面白くなければテレビではないと思っているのならば、この件は真剣に検討してほしいと思います。もちろん現在折衝中の可能性もありますから、経過を静かに見守りましょう。
 
『わが動物記』犬飼哲夫
暮しの手帖社 1970年1月25日初版
カバー上少破れ         
   著者は南極観測隊のタロとジロの育ての親
SOLD OUT

 
 

2014年6月27日金曜日

ゲリ豪

 語るに足る経験もなく、さらには誰に頼まれたわけでもないのに日々ブログを綴るというのも、いいかげん白々しいことに気付き始めた自分。そんなどうでもいい自意識なんか雨に流しておしまいなさい、という内なる声を聞いて外を見ると、とつじょ親の仇のような豪雨が八丁堀にもやって来ました。梅雨時とは思えないゲリラ豪雨の襲来。季節から外れていると言えば、古本屋稼業も同様で、どちらがより季節外れかゲリラ豪雨V.S.古本屋の様相を呈している6月も終わりにさしかかったアンニュイな時間帯。こんな時にはショパンのノクターンをかけて、あえて憂鬱な気分にひたっていたい。しかしあまりに眠くなりすぎるので、途中から小さんの時そばに変更。しかしあまりに蕎麦が食べたくなりすぎるので、途中からCDを消して無音状態に。CDを聴いていただけなのに、睡眠欲と食欲を刺激されて仕事になりません。ではこの商売において、仕事とは何か。それはお客様の物欲を刺激することでしょうか。仕入にも力を入れております。どうぞお運びくださいませ。



『VOU 59』
VOUクラブ発行 1958年1月
北園克衛、坂本稔、清水俊彦、堀内れい子他

山本悍右による雨降りの写真詩

街に雨が降る
ぼくの部屋は
破片でいっぱいだ

SOLD OUT



2014年6月25日水曜日

麗しき日日

明日6/26(木)は仕入のため、開店は15時頃を予定しております。
6/27(金)も仕入です。開店は14時からです。
ご了承くださいませ。 

 窓の外から黒雲の近づく音さえ聞こえてくるぐらいに不気味なほど静まり返った店内。こんな時にとつぜん、ダチョウ倶楽部の上島竜兵が買い物に来てくれたら、さぞかしにぎやかになるに違いないと夢想しながらの午後のひととき。それは古本屋だけに許された特権なのかもしれません。
 と思っていたら、昨日はかつての仕事仲間の若い友人が来てくれて、楽しい時間を過ごすことができました。得体の知れない商売を始めたことを知らせたら、すぐに足を運んでくれたのです。おそろしく知的好奇心の旺盛な青年なので、うちの今の乏しい在庫では満足できなかったとは思いますが、それでも棚をつぶさに見て、きっちりリアクションを取ってくれるあたりは、ことによると上島竜兵を凌ぐかもしれないと思わせるほどでした。丸谷才一や篠田一士らがその昔に出した文芸雑誌をさりげなく浚っていく目利きにもびっくり。今後の動向に注目したい青年です。さらにその後には、兄事する同業の先輩にまで来ていただきました。仕事に関したことだけではなく、世間知の欠落した自分が世の機微を教わることのできる人です。
 というわけで、昨日は千客万来に匹敵するありがたい日となったのでした。人のありがたい話は得てして退屈なものですが、いろいろ仕入れて退屈ではない店にしていきますので、どうぞよろしくお願い致します。



初期伊万里青磁碗
直径8,9×10,6センチ高さ7センチ
SOLD OUT